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会社の危機を救ったのは、徹底したマニュアルづくりだった!XINOBIX式「業務マニュアル」作成メソッド

会社の危機を救ったのは、徹底したマニュアルづくりだった!XINOBIX式「業務マニュアル」作成メソッド

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「人が足りない、時間が足りない・・・」

日本の多くの企業が抱えるリソース不足。

業務量が増えると、必ずといっていいほど、企業の足元に忍び寄る恐ろしいトラップ。

その正体はただの「忙しさ」ではありません。

業務量が増え、社員ひとりあたりの負担が増大すれば、業務品質の安定が揺らぎます。

そうなれば、顧客からのクレームが増え、ますます現場が忙しくなるという負のスパイラルに陥ります。

そんな状況が続くと、やがて優秀なメンバーから会社を去り、残されたメンバーもモチベーションが落ちていき、業績も下降を極めることに・・・。

経営者の方は誰しも、そんな状況を想像すると、背筋が凍るのではないでしょうか?

実は私たちXINOBIXも、2023年後半から2024前半年にかけて、そんな状況に陥りかけていた一社です。

私たちXINOBIXはオウンドメディア支援を主な事業としている会社ですが、有り難いことに売上の上り調子な日々が続いていました。クライアントの成果に真摯に向き合う姿勢や成果が評価され、主に紹介を通じて多くの引き合いをいただいていました。

しかし気付けば、業務量の増加に人的リソースが追いつかず、常に人手不足の状態が続いていました。新しいメンバーを採用しても、教育体制や引き継ぎ体制が整っていないため、業務品質はバラバラ。

古参のメンバーも多忙なため、社内で飛び交う依頼は「とりあえずお願い」といった雑な内容ばかり。

このままでは組織が崩壊する・・・!そんな危機感のもと、社を挙げて着手したのが、自分たちの業務プロセスの「可視化」でした。

これまで暗黙知だった業務プロセスを見える化し、「業務マニュアル」として社内で共有することにしたのです。

業務マニュアル作成の効果は、私たちの想像以上でした。

新しいメンバーのオンボーディングが円滑になったことはもちろん、私たちが何にこだわって仕事をしているかが可視化されたことで、社外のクリエイターとの連携もしやすくなりました。その結果、今では60名ものフリーランスや副業人材の方々と協力して業務を進められています。

また、過去3期にわたって年間平均150%という成長率も実現できました。

そこで本記事では、私たちが乗り越えてきた修羅場時代の実録を踏まえ、XINOBIX式の業務マニュアル作成メソッドをご紹介します。
今まさにリソース不足で首が回らない・・・とお悩みの方のお役に立てれば幸いです。

(※本記事はアドビ社のPR企画「みんなの仕事術」に参加して書いています)

業務マニュアルとは?

まず、当記事で解説する業務マニュアルの定義について解説します。

私たちが考える業務マニュアルとは、「業務プロセスやナレッジを含む、業務の考え方・手順をまとめたもの」を指します。

弊社ではあらゆる業務内容をマニュアル化しており、例えば以下のようなマニュアルが存在しています。

  • 請求書の発行方法
  • 原稿執筆の手順
  • コンサルティングの進め方
  • クライアントとのコミュニケーションの取り方
  • Slack、Zoomのマナー

ルール化しやすい業務だけでなく、組織としての考え方や指針もマニュアル内に盛り込んでいます。

マニュアルは、会社の価値観を浸透させるツールでもある

私たちが作るマニュアルは、業務フローの浸透だけでなく、会社の価値観や方針を反映させる「羅針盤」としても活用しています。

例えば、外部のライターさんに対してコンテンツ制作のディレクションを行う際に、「コンテンツの成果を共有するだけでなく、感謝の気持ちも伝える」といった行動指針もマニュアルに記載しています。

マニュアルを活用する中で、共通の価値観に基づいて動く「一つのチーム」を作れるよう、マニュアルの中身を工夫しています。

マニュアルを作れば、「人を責める」よりも「仕組みの改善」に意識が向く

マニュアルを運用する組織になれば、問題が起きた時に、人を責めるのではなく、仕組みを真っ先に疑えるようになります。

例えば、クライアントに提出する納品物に問題があった場合、ミスをした本人を責めるのは簡単です。しかし弊社では、全員が同じマニュアルに従って業務を行っているため、責任の矛先が個人に向くことはありません。

ミスが起きたのであれば、マニュアル化されている「業務の仕組み」が悪いのです。

問題が起きた際には、業務の仕組みを改善し、その後マニュアルの内容をブラッシュアップします。

このような組織になれば、メンバーがミスを恐れなくなり、常にポジティブな気持ちで仕事に集中できるようになります。

マニュアルドリブンな組織に生まれ変わったXINOBIX

冒頭でもお話ししましたが、私たちは以前、慢性的なリソース不足の中で、業務品質の安定化に苦戦していました。

限られたリソースの中で業務を回すためには、属人的な状況を打破し、誰でも一定の品質で業務に対応できる仕組みが必要だったのです。

そこで私が決意したのが「業務マニュアル」の作成と、マニュアルドリブンな組織作りでした。

最初に私が対応したのは、すべての業務手順の整理でした。

どの工程で、誰がどのような手順を踏んでいるのかを明確にしたのです。

その後、様々なメンバーを巻き込み、業務手順をさらに詳細に整理していきました。

そうして、マニュアルの原型は生まれていきました。

現在では、上記のようなマニュアルが多数存在しています。

マニュアルを整備したことで、社内外のコミュニケーションに変化が起きました。

暗黙知だったノウハウが形式知化されたことで、情報を求めているメンバーに対して、「どこを見れば良いのか」といった声かけが頻繁に起こるようになりました。

また、新しいメンバーの採用時には「マニュアルの内容に忠実に従える」「マニュアルの重要性を理解できる」「マニュアルを作れる」といった人材を重点的に採用することになりました。

まさにマニュアルドリブンな組織へと生まれ変わったのです。

今思えば、マニュアル作成に着手した当時は本当に大変でした。

常に人手不足の状態にもかかわらず、教育体制や引き継ぎ体制が整っていないため、新しいメンバーの採用に大苦戦。

そんな状態がウソのように、今では十分なリソースと高い業務品質を維持できています。

それらはすべて、業務マニュアル作成の恩恵によるものです。

ではここからは、そんな私たちの運命を変えてくれたマニュアル作成の具体的な手順を解説していきます。

XINOBIX式「業務マニュアル作成」5つのステップ

いよいよここからは、業務マニュアルを作成するための5つのステップを解説します。以下のステップを順を追って実践していただくことで、実用的なマニュアルを作成することができます。

ステップ1:マニュアルで解決すべき課題を整理する

マニュアル作成の第一歩は、マニュアルでどんな課題を解決すべきかを整理することです。弊社では、Slack上に課題を投稿する専用のチャンネルをつくり、メンバーに投稿してもらっています。

メンバーから投稿された課題の例(※これらの課題はすでにマニュアル化して解決済み)

  • 記事制作のスケジュール、制作代行の場合納期が毎回タイトすぎる
  • 「校閲者がいること」がXINOBIXの強みなのに、クライアントにその価値が伝わりにくい
  • キーワード設計図の更新がぐだぐだになりがち
  • 個人の携帯電話で電話をしたときに発生する経費をどうカウントするかわからない

これらの課題は自動的にスプレッドシートに連携され、一覧化されます。

その後、これらの課題のインパクトや緊急度を評価し、優先度を決定します。特に、クライアントワークに関わる重大な問題や、経営に大きな影響を与える課題は、優先的に取り扱います。

ステップ2:課題解決リーダー(マニュアル作成責任者)の選定

優先度の高い課題が特定されたら、その課題を解決するためのリーダーを決定します。このリーダーは、マニュアル作成の責任者となり、プロセス全体を統括します。

ステップ3:マニュアルの素案を作成

リーダーの最初の仕事は、マニュアルの素案を作成することです。課題解決のためのフローを箇条書きでまとめていきます。

素案を作成したあとは、マネージャーと相談しながら、より効率的な業務プロセスを設計します。

現状の業務フローにおいて、無駄なプロセスがないか、改善の余地がないかを徹底的に見直します。軽微に改善する場合もあれば、完全に新しいフローが設計されることもあります。

ステップ4:関係者との合意形成

理想的なフローを設計したあとは、関係者を交えて議論します。

改善の余地があると判断された場合には、お互いに意見を出し合います。

この過程を経て、最終的に合意された内容がマニュアルの基礎となります。

ステップ5:マニュアルの作成

合意形成後、マニュアル作成に着手します。
各マニュアルには、業務名、業務概要、心得や目的、実施タイミング、完了状態など、業務遂行にあたり必要な項目を詳細に記述します。

また、マニュアル内には必要に応じて画像や動画も設置します。

その後、完成したマニュアルを関係者を集めた定例ミーティングで共有すれば、業務での活用がスタートします。

マニュアルは運用こそが大切

マニュアルは作成して終わりではありません。運用こそが大切です。

私たちXINOBIXでは、マニュアルを現場で活用するライターやディレクターからのフィードバックを注視し、ネガティブな反応がないかを常に観察します。

もしネガティブな反応がある場合には改善を図ります。

また、外部パートナーであるフリーランスや副業人材の方々からのフィードバックも受け付けています。

ただし、外部の方に社内の重要なマニュアルを共有する際、マニュアルの元ファイルを渡すのは情報漏洩の観点から少しリスクがあります。

そこでオススメしたいのが、マニュアルをPDFに変換しておくことです。

例えば、WordやExcelで作ったマニュアルをPDFに変換しておけば、意図せず編集されてしまうことや、環境によってフォントやレイアウトが変わってしまうことを防げます。

マニュアルをPDFに変換する際は「Adobe Acrobat オンラインツール」を使うのが良いでしょう。アプリのダウンロードが不要で、オンライン環境さえあれば無料で使えます。

ちなみに、Acrobat オンラインツールの「PDFを編集」機能を使えば、複数のメンバーがマニュアルにコメントを残せます。

マニュアルを運用する中で生まれた気づきや疑問をメンバー全員で共有できるため、マニュアルを改善するうえでとても便利です。

また、担当領域の関係でフルサイズのマニュアルが必要なく、特定のページだけあればよいという場合は、「PDFのページを抽出」「PDFを分割」を使うとよいでしょう。

そのほか、メール添付しやすいようにファイルサイズを軽量化できる「PDFを圧縮」機能もオススメです。

Adobe Acrobat オンラインツールは大変便利なツールですので、ぜひチェックしておいてください。


ここまで、XINOBIX式の業務マニュアル作成フローを5つのステップに分けて解説してきました。

マニュアル作成で大切なのは、課題の優先度に応じて作成することです。

あらゆるタスクをやみくもにマニュアル化すればよいというわけではないことを覚えておいてください。

マニュアル作成の負荷が大きくなると、それこそ本末転倒です。

それでは最後に、マニュアルをチーム内で機能させるために重要なポイントを4つご紹介しておきます。

マニュアルが機能する組織づくり4つのポイント

ここでは、私たちがマニュアルを組織に根付かせるために意識していることを紹介します。

マニュアル運用は1日にしてならず。マニュアル運用により、業務手順やナレッジを共有し、事業を成長させるためには、組織全体に根気よくマニュアルを浸透させる必要があります。

4つのポイントに分けて、具体的に見ていきましょう。

1.マニュアルに適性のある人材を採用する

マニュアル運用を組織レベルで行うには、マニュアルの内容を遵守できるだけでなく、マニュアルの作成に貢献できるメンバーの存在が不可欠です。

そのため、弊社では以下のような人材を採用するようにしています。

  • マニュアルを尊重し、積極的に活用できる
  • マニュアルを組織に浸透させるアクションができる
  • 言語化スキルが高い(マニュアル作成時に必要)
  • 物事の仕組み化に興味がある(マニュアル作成時に必要)

2.マニュアル運用を奨励する行動指針の作成

マニュアル運用を成功させるためには、それを支える組織文化が不可欠です。

私たちXINOBIXでは、以下のような「行動指針」を設け、「仕組み化」の大切さを社内に浸透させています。

また私たちは、問題が発生した際に、その再発防止策を考え、ドキュメント化して関係者に周知するといった行動が評価される文化を醸成しています。

加えて、積極的に改善提案をしたメンバーには賞賛が集まるような雰囲気づくりも行っています。

3.マニュアルを作る側のメンバーを増やす

マニュアル運用を成功させるには、マニュアルを遵守するだけでなく、必要に応じてマニュアルを作ることも大切です。

そのためには、マニュアルを作る側のメンバーを増やすことを意識しましょう。

マニュアル作成には、組織全体を見渡す広い視野と高い問題意識が必要なため、コアメンバーが中心となって動ける体制作りを意識しましょう。

私たちXINOBIXでもコアメンバーがマニュアル作成に取り組んでいますが、コアメンバー以外であっても、マニュアル作成に関与できるような体制を構築しつつあります。

4.時代や組織の変化に合わせて定期的に見直す

繰り返し言いますが、マニュアルは作成して終わりではありません。定期的な見直しが必要です。

マニュアルはあくまでも過去の業務フローに基づくものです。

時代や組織の変化に合わせて業務フローに変化が生じるのであれば、マニュアルも迅速に更新する必要があります。

例えば弊社では最近、AIを活用したコンテンツ制作の効率化を推進していますが、こうした新しいテクノロジーの導入に合わせて、マニュアルの内容も更新しています。

まとめ

今回は、私たちの業務マニュアル作成メソッド、そして、マニュアルを組織に浸透させるための4つのポイントをご紹介しました。

業務マニュアル作成の効果は想像以上です。私たちはマニュアルドリブンな企業になったことで、今では60名ものフリーランスや副業人材の方々と協力して業務を進められています。

また、過去3期にわたって年間平均150%という成長率も実現できています。

マニュアルドリブンな組織になれば、メンバーの働きやすさが大きく変わります。その結果、人材の定着率も上がるでしょう。

以前の私たちと同じようにリソース不足に悩む方々にとって、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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この記事の著者

長屋智揮

大阪府出身。同志社大学在学中にインドで情報誌の立ち上げを経験。卒業後にレバレジーズ株式会社に入社。2016年にXINOBIX株式会社を起業し、インド進出支援業をスタート。その後、英会話スクールの比較サイトを起業しウェブリオ(現GLASグループ)に売却。その間、複数の企業でインハウスのSEO責任者や事業部長を経験。2021年に再度当社を専業とし、現在はコンテンツマーケティング支援業を行う。

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