認知度の割にSEOが弱い→1位を連発しリードが増えるまで。Goodpatch Blog 13年目の新たな挑戦

画像左から:株式会社グッドパッチ角野様、XINOBIX株式会社 天野、長屋
「デザインの力を証明する」をミッションに、UI/UXデザインのリーディングカンパニーとしてスタートアップから大企業まで、幅広い企業のデジタルプロダクト開発や、デザインのアプローチで新規事業、事業成長、企業変革などビジネス課題の解決と価値創造を支援する株式会社グッドパッチ(以下、グッドパッチ)。
同社が長年運営するオウンドメディア「Goodpatch Blog」は、デザインに関する質の高い情報発信で業界内外から高い評価を得ています。しかし、主要キーワードでの検索順位が伸び悩んでおり、SEOを通じたリード獲得に課題を抱えていました。
そこで、XINOBIX株式会社(以下、シノビクス)は、「Goodpatch Blog」のコンサルティングおよび記事制作を支援。
グッドパッチ独自のナレッジを活かした記事の制作により、主要キーワードで検索結果1位を獲得することができ、リードの獲得にも貢献しました。
今回は、プロジェクトを担当されたグッドパッチの角野様に、シノビクスの支援で得られた成果と、率直な感想を伺いました。
「認知度の割にSEOが弱い」。老舗オウンドメディアが抱えていた課題
ーシノビクスに依頼した背景や課題について、改めて教えてください。
角野様:私たちは「Goodpatch Blog」という自社オウンドメディアを創業間もない頃から10年以上も運営しています。
画像:「Goodpatch Blog」のトップページ

現場のデザイナーたちが業務で得た知識や経験を積極的に外部にシェアする場としては非常に良いものだと感じていました。
しかし、SEOを意識した記事作りができていなかったため、主要キーワードでの検索結果で上位表示を獲得できていないという課題を抱えていました。
長屋:グッドパッチは積極的に情報発信をされていて、私も長らく記事を拝読していました。業界でも非常に注目されているオウンドメディアという認識だったため、SEOに課題があるというのは意外でした。
角野様:そうなんです。広告やウェビナーなどの短期的なリード獲得施策はある程度できていたのですが、中長期的なマーケティング戦略として、オウンドメディアのSEOの取り組みが十分にできていませんでした。

これは、マーケティングチームの人員が限られていたこと。また、記事を執筆するデザイナーがクライアントワークで多忙だったため、十分なリソースを確保できなかったことが要因でした。
そこで、SEOプロジェクトを主導してくれる支援先として、シノビクスへ依頼しました。
シノビクスを選んだ決め手は、6ヶ月で成果が出るイメージが湧いたこと
ー弊社にご依頼いただく決め手は何だったのでしょうか?
角野様:社内で依頼先の候補をピックアップした際に重視したのは、半年から1年以内にSEOで成果を出して体制まで構築できることでした。
自社のリソース不足によりSEO施策の実施が難しい状況の中、複数の会社からの提案を検討しました。その中でシノビクスは、SEOの戦略立案だけでなく、オペレーションも含めて包括的にご支援くださるのが特徴で、短期間での成果が期待できると判断しました。
まずはSEOの基礎を固め、着実にステップアップすることが重要だと考えていたので、そこへのコミットメントも強く感じました。
長屋:グッドパッチは、非常に優れた既存コンテンツという資産をお持ちですが、SEOの観点から見ると、コンテンツ制作のプロセスを少しチューニングすることが課題だと感じていました。
そこで、サイト全体をゼロから改善するような大規模な施策ではなく、一部のコンテンツをSEOの観点で制作オペレーションに落としていくことを提案しました。

画像:ご提案の際に活用したスライドのサマリ
グッドパッチの独自性を出すため、粘り強く記事と向き合った。それが成果につながった。
ーどのようにプロジェクトを進めましたか?
長屋:まず最初の2ヶ月間はマーケティングの観点やSEOの観点から、「Goodpatch Blog」をどう伸ばしていくかを関係者のみなさまと徹底的にディスカッションしながら進めました。
単に検索順位を上げるだけではなく、どのキーワードで上位表示を狙うべきかを明確にすることが最も重要でした。なぜなら、グッドパッチが本来優先的にアプローチしたい事業領域の顧客に確実にリーチするためには、検索流入の「質」を高める必要があったからです。
グッドパッチは、UI/UXデザイン支援をはじめ、新規事業の創出支援、事業戦略支援、プロダクト開発支援、ブランディング支援、組織変革支援など、幅広いサービスを提供し、企業が持つビジネス課題をデザインで解決しています。
そのため、ターゲットとなる顧客層のペルソナや課題も多岐にわたります。
このプロセスでは、顧客像をマッピングし、検索される可能性の高いキーワードを洗い出しました。

図:クライアントの課題、ソリューション、キーワードをマッピングした表
キーワード特定には、検索ボリュームや競合分析だけでなく、実際の顧客が使う言葉を参考にしました。具体的には以下を実施しました。
- インサイドセールスやデザイナーへのヒアリング
- 過去のお問い合わせデータの分析
- 導入事例の読み込み
これらをもとに顧客ペルソナを作成し、SEOキーワードに落とし込む作業を2〜3ヶ月かけて進めました。
そこから、キーワードを絞り込み、コンテンツの制作に着手していきました。
角野様:初期戦略の設計を行なったことで、どのようなユーザーに情報を届け、リードにつなげていくのかターゲットを言語化できたことはオウンドメディア運用の解像度を上げる良いきっかけになりました。
またグッドパッチはソリューションの幅が広いのでキーワード選定の支援をいただけたのは非常に助かりました。これまではどうしても自分たちが伝えたいことを優先していましたが、SEOでは検索ボリュームという市場のニーズも考慮する必要があることに気づきました。
市場のニーズと、自社の強みのバランスを、客観的に判断していただけたのは、外部のパートナーならではだと感じました。

長屋:グッドパッチは社内のナレッジを発信するという素晴らしい文化をお持ちでしたが、SEO視点で見ると、伸び代が多くありました。そこをうまくSEOとつなげられたと感じています。
天野:キーワード選定やコンテンツ制作で、ほかに意識された点や苦労された点はありますか?

角野様:これまで、SEOの観点でキーワードを意識した記事より、ノウハウやナレッジ、ケーススタディなどを発信する記事を優先してきたため、メンバーの理解を得るところから取り組んだ点が苦労しました。
特にデザイナーは言葉を大切に扱う仕事なので、言葉の定義に少しでも揺らぎがあると記事全体の構成やライティングに影響が出てしまいます。
そのため弊社側からのフィードバックが多く、構成や記事の修正を何度もお願いすることになりました。その点は、シノビクスも苦労されたのではないかと思います。
天野:たしかに細かい調整が必要な部分も多く、苦労はありました。しかし、グッドパッチの率直なフィードバックのおかげで、業界の方にとっても読み応えがあり、正確かつ分かりやすい情報を読者に届けられるコンテンツになったと感じています。

画像:シノビクスが制作をご支援した記事
「UXデザインとは?UIデザインとの違いや設計プロセス、事例を紹介」
天野:またSEOコンテンツでは、一次情報をしっかりと盛り込むことが重要です。そこでグッドパッチ独自のナレッジを記事に反映できたことも、短期間で成果を得る大きな要因になったと感じています。
角野様:コンテンツ制作では、デザイナーが扱う専門的な言葉を、デザイン初心者の方にもわかりやすく翻訳してくださった点は助かりました。
特にUI/UXデザインは、グッドパッチのソリューションの柱であり、専門用語を多く含みます。
シノビクスは記事制作のために「Goodpatch Blog」の情報を多くインプットしていただき、グッドパッチが使う言葉でありながら、より多くの方が理解できる記事に仕上げていただきました。その粘り強く寄り添う姿勢が印象に残っています。
長屋:ありがとうございます。グッドパッチの記事は私たちにとっても大変勉強になりました。グッドパッチの「良いものを作りたい」という強い思いが伝わっていたため、我々もその思いに応えたいという気持ちで取り組むことができました。
天野: 今回、より独自性の高いコンテンツを作成するために、生成AIの活用をご提案しました。具体的には、グッドパッチから提供いただいた資料や既存のブログ記事を生成AIに読み込ませ、SEOのフォーマットに沿ったコンテンツとしてアウトプットする仕組みを構築する提案を行いました。

画像:「Google NotebookLM」を活用した独自情報を記事に反映する取り組み
グッドパッチにはこの方針をご理解いただき、生成AIを活用した効率的なオペレーションを組み立てることができました。生成AIの活用に慎重なクライアントが多い中、グッドパッチは積極的に取り入れ、独自情報を効果的にコンテンツへ反映する運用を実現しました。これは非常に大きな成果だと考えています。
念願だった主要ワードでの検索1位、リード数も着実に増加
ープロジェクトの成果や取り組み全体で印象的だったことはありますか?
角野様:狙ったキーワードで検索順位1位を獲得できたことは、グッドパッチにとって非常に大きな成果でした。
これまで「Goodpatch Blog」の記事が検索上位に表示されていなかったことに寂しさを感じていましたが、依頼後にしっかりと上位表示できたことは本当に嬉しかったです。社長の土屋も非常に喜んでいました。
検索上位を実現したキーワード
- UIデザイン 1位
- UXデザイン 1位
- UXリサーチ 1位
(※2025年3月5日 東京都内、シークレットウィンドウで検索)
長屋:私たちも、グッドパッチと同じくらい喜んだことを覚えています。個人的には作成した記事が上位表示された際、土屋社長から「凄い!」というメッセージをいただいたことが嬉しかったです!

画像:土屋社長からの喜びの声
角野様:またSEOプロジェクトの着手前と比較して、サイト全体のインプレッション数が大幅に増加しました。毎月着実にリード獲得にもつながってきています。
コンテンツをSEOに最適化することで、グッドパッチの認知が広がり、リード獲得につながる。結果として会社の資産となるという、マーケティングの理想的なプロセスを実感しています。
長屋:SEOで成果が出たことで、社内的にはどのような変化がありましたか?
角野様:SEOは、すぐに結果が出るものではなく、積み重ねが重要だと再認識しました。そこにしっかり寄り添ってコンテンツ作りを進めていただけたことはとても印象的で、シノビクスとご一緒できて本当に良かったと思っています。
長屋:私たちの思想として、お客様の課題に寄り添い、目標に向けたボトルネックを解消し続けることが重要だと考えています。グッドパッチの場合は、独自情報をいかに活かすか、社内の視点の違いをまとめるかがポイントでした。そういった点が成果につながって嬉しく思います。
シノビクスは、地に足をつけて、中長期的に寄り添ってくれるパートナー
ーシノビクスの支援を受けて、どのような企業と相性が良いと感じますか?
角野様:地に足をつけて成長を積み重ねていきたい企業や、中長期的な視点で着実にステップアップしたいと考えている企業におすすめだと思います。

シノビクスは短期的な成果だけを提供してくれるのではなく、中長期的な目線で寄り添ってくれるパートナーだと感じました。
ー最後に今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。
角野様:グッドパッチとして広げていきたいソリューションについても、一緒にコンテンツ制作を進めていきたいと考えています。また、成果につながるというところを意識して、リード獲得につながるSEO施策を、引き続き実施していきたいと考えています。
― ありがとうございました。グッドパッチはさらに成果を伸ばしていけると確信しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。