オウンドメディアの記事制作7ステップ!具体的な書き方もあわせて紹介
オウンドメディアを運営するにあたり、質の高い記事制作は必要不可欠です。
そんな中、
「そもそも記事の書き方が分からない……」
「オウンドメディアの記事制作の工程を知りたい」
「成果を出すためには、とりあえず記事をたくさん書けばいい?」
とお悩みの担当者の方もいるのではないでしょうか。
オウンドメディアの記事制作は、思った以上に手間や工数がかかる上に、しっかりポイントを押さえておかないと質の高い記事に仕上げることはできません。

これまで300記事近くの執筆、250記事超のディレクションに携わってきましたが、記事制作にかかる時間は並大抵ではありません。1記事仕上げるのに何日もかかってしまう、といったことも……。この記事では、そんな経験をもとにオウンドメディアの記事制作方法について解説します。
具体的な記事の書き方のポイントについても紹介しています。
「これからオウンドメディアの記事を制作する」「記事制作しているけど上手くいっていない……」といった方のお役に立てますと幸いです。
なお本記事では、「オウンドメディア」=「企業が所有・運営するWebサイトで情報を発信している活動」と定義して記事制作方法について解説します。
また、記事については、SEO記事を前提としています。
SEOだけでなく成果にコミット!シノビクスの記事制作代行サービス
「オウンドメディアの記事制作になかなか時間が取れない…」
「記事制作はプロに任せて、他の業務に時間を割きたい」
このようにオウンドメディアの記事制作にお悩みの方には、シノビクスの記事制作代行サービスがおすすめです。
弊社では様々な業界で、100サイト以上のオウンドメディアを支援してきました。クライアント様の強みを活かしたコンテンツ企画が得意で、ただ記事を制作するのではなく、マーケティング目標の達成に貢献します。
ご興味のある方は、ぜひサービスの詳細をご覧ください。
目次
オウンドメディアとは自社でコントロールが可能なメディアのこと

オウンドメディアとは、企業や個人が自ら所有し、コントロール可能なメディアの総称です。
その意味では、企業のSNS、YouTube、メールマガジンなども、「オウンドメディア」の一形態とみなすことができます。
ほかにも「アーンドメディア」「ペイドメディア」とあわせて「トリプルメディア」とも呼ばれています
日本においては、自社で取得したドメインで立ち上げる「記事型メディア」をオウンドメディアと呼ぶことが多く、実際シノビクスでご支援させていただいているのも「記事型メディア」になります。
「記事型メディア」の参考サイトとして弊社のブログページをご覧ください。

記事型メディアの場合、検索流入によって、自社を認知していない見込み客に対しても幅広くアプローチできるといったメリットがあります。
オウンドメディアに必要な記事数の目安は?
「オウンドメディアを始めたいけど、何記事くらい必要なの?」という疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、明確な正解はありません。
しかし、最低でも30〜50記事は必要だと考えています。
ただし、記事数よりも重要なのは「ユーザーのニーズに応える質の高い記事」を作ることです。100記事あっても質が低ければ成果にはつながりません。
記事数よりも重視すべきこと
記事数を考える前に、まず以下の点を明確にしましょう。
- ターゲットユーザーはどんな情報を求めているのか
- 自社のサービス・商品に関連するキーワードは何か
- そのキーワードで検索する人はどのくらいいるのか(検索ボリューム)
これらを調査した結果、必要な記事数が自然と見えてきます。
たとえば「ユーザーのニーズに応えるには30記事必要」と分かれば、それが最初の目標になるのです。
段階的な記事数の増やし方
記事制作に慣れていない場合、いきなり大量の記事を作ることは困難です。
まずは月4〜10記事程度を目標に、丁寧に1記事ずつ制作していくことをおすすめします。
質の高い記事を継続的に公開し続けることで、検索エンジンからの評価も高まり、徐々に成果が見えてくるでしょう。
オウンドメディアの記事制作9ステップと必要な工数
本章では、オウンドメディアの記事制作方法について9ステップで解説していきます。
- ターゲットを決める
- ターゲットに応じたキーワードを選定する
- 担当者を割り振っていく
- 記事構成を作成する
- 記事を執筆する
- 校閲・校正をおこなう
- 最終確認をする
- タイトルとメタディスクリプションを最適化する
- 記事を公開し効果測定をする
それぞれステップごとに必要となる工数についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

Step1. ターゲットを決める
オウンドメディアの記事を制作するにあたりに、ターゲット設定は必要不可欠です。
ターゲットが定まっていないと、ずれたターゲットに向けた記事になる可能性があるためです。
たとえば、英語学習コンテンツがサービス商品のオウンドメディアを例にみてみましょう。
テーマは「英語学習」でも、ターゲットは多岐に渡ります。
- テストで出る英単語の意味を知りたい学生
- 3カ月後の海外駐在に備え、効率的な英語学習法を探すビジネスマン
多くのアクセスに繋がりやすいのは①のような勉強系のニーズです。
しかし学生のアクセスを増やしたところで、サービスの購入までのコンバージョンは期待できません。英語学習サービスを訴求したい場合、真の顧客は①のビジネスマン系が中心です。
こういった顧客群のアクセスは少なく見えますが、商品やサービスを買ってくれるユーザーを狙うべきなのです。

「誰にどんな内容を届けたいのか」「自社のどのサービスを読者に知ってもらいたいのか」を視点にターゲットを決めていくことが失敗しないためのポイントとなります。
Step2. ターゲットに応じたキーワードを選定する

ターゲットが決まったら、潜在層〜顕在層に向けて顧客像に応じたキーワードを選定していきます。
オウンドメディアの多くは、検索エンジンからの流入を見込んで記事を作り込んでいるためです。
自社のサービスや商品に興味を持ってくれそうな方は、どういったキーワードで検索をかけているのか、といった視点でキーワードを選定していくことが大切になります。
ほかにも「ビジネスゴールに繋がるか」「ターゲットユーザーは含まれているか」どうかといったこともキーワード選定において重要な要素です。
記事数にもよりますが、キーワード選定は10時間ほどの工数が必要になることが多い傾向にあります。
Step3. 担当者を割り振っていく
ここまで終わったら、実際に記事を書くといった段階に入っていきます。
しかし、ここで問題となるのが「誰が書くのか?」といったところです。
もちろん、社内でリソースが割けるのであれば、社員を担当者として置いてもよいでしょう。
ただ、記事制作には思った以上に労力や工数がかかります。片手間で始めてしまうと失敗してしまう可能性があるので注意が必要です。
たとえば、月10本の記事制作をおこなう場合、私の経験上、以下の担当者と人数がいることが望ましいと考えています。
- ディレクター:1名
- ライター:2〜3名
- 校閲者:1〜2名(ここはディレクターが巻き取る場合もある)
また1記事あたりにかかるトータル工数は、10〜20時間程見込んでおく必要があります。
社内だけでは難しいといった場合には、外注を利用するのも一つの方法です。
ただ、外注する場合は、納品された記事の内容が薄かったり自社のサービスや商品の魅力が伝わりづらかったりするといったデメリットがあります。
シノビクスでは、一定品質の記事を制作できるよう、担当者のアサイン、割り振りは時間をかけて丁寧におこなっています。
ディレクター
ディレクターとは、そのメディアのとりまとめ役を担う方になります。
クライアント(または上司)とライター、校閲者との間に入って、以下のような業務をメインでおこなっていきます。
- クライアントの課題解決への提案
- プロジェクトの進行管理
- コンテンツの品質管理
ほかにもシノビクスでは、定期的に編集会議をおこなっています。
編集会議をおこなうことで、企業が持っているオリジナルな情報を記事に織り込んでいき、より検索エンジンから評価される記事に仕上げることができるためです。
このように、クライアントとライターの間に立って、プロジェクトを成功させるための舵切っていくことが主な役割となっています。

ライター
ライターとは、記事の企画立案、記事構成作成、原稿執筆を担う方です。
ライティング力、リサーチ力はもちろん、SEOの知見も必要です。弊社に所属しているライターさんはフリーランスや副業でご活躍されている方が多くいます。
基本的にオンライン上でのやりとりになることが多いため、ライティング力だけでなく基本的なコミュニケーションスキルも重要視しています。
校閲者
記事の内容によっては、校閲・校正を担当していただく校閲担当者がいることが望ましいです。
場合によっては、ディレクターが巻き取ることもありますが、シノビクスでは記事の一定品質を担保するために、ほとんどのプロジェクトで校閲者をアサインしています。
Step4. 記事構成を作成する
担当者が決まったら、記事制作にとりかかります。
記事制作で最初におこなうことは、「記事構成」を作成することです。記事構成とは、記事の骨格となる「設計図」のようなものです。
設計図なしによい家が建たないように、記事構成なしにはよい記事を作り上げることはできません。
シノビクスでは、独自のテンプレートを使用し、ニーズ調査や競合サイト分析などをおこなったうえで、記事構成を作成しています。

図:シノビクスの記事構成テンプレート

キーワードの専門性やジャンルにもよりますが、1〜3時間ほどの工数が必要になることが多い傾向にあります。検索キーワードから見えてくる読者の悩みに対する答えを上手に見出しに盛り込んでいくことが大切です。
記事構成については、「【徹底解説】記事構成の作り方!SEOで成果をあげるコツも紹介」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
Step5. 記事を執筆する(具体的な書き方も紹介)
記事構成ができたら、実際に記事を執筆していきます。本章では、記事を執筆するにあたって大切な書き方のポイントを詳しく紹介します。

文章作成は1〜3時間、場合によっては5〜8時間ほどかかることもあります。ここで紹介するテクニックを使えば、読みやすく質の高い記事を効率的に書けるようになります。
検索クエリを理解して書く
記事を書く前に、ユーザーの検索意図を理解することが重要です。検索クエリは大きく4つに分類でき、それぞれに適した記事の書き方があります。
- Knowクエリ:情報を知りたい(例:「記事 書き方」)
- Goクエリ:特定のサイトに行きたい(例:「YouTube」)
- Doクエリ:何かをしたい(例:「アプリ ダウンロード」)
- Buyクエリ:購入したい(例:「Amazon 空気清浄機」)
Knowクエリの記事なら網羅的な情報提供、Doクエリなら具体的な手順、Buyクエリなら製品比較や選び方といった内容が求められます。
PREP法で論理的に書く
PREP法とは、読者に分かりやすく簡潔に伝えるための文章構成のことです。Web記事では結論を先に書くことが鉄則です。ユーザーは答えをすぐに知りたいと思っているためです。
P(Point):結論
R(Reason):理由
E(Example):事例、具体例
P(Point):結論(まとめ)
まず結論を提示し、それに対する理由を説明し、例や証拠を挙げて具体的に説明し、最後に結論を述べるという論述の構造です。
PREP法を使うことで、情報が整理され、分かりやすく簡潔に伝えられます。
一文一意で分かりやすく書く
一文で伝えるメッセージは1つだけにすることが、分かりやすい文章の基本です。
複数のメッセージを詰め込むと、何を伝えたいのか分からなくなり、読者の負担が大きくなります。
一文一意にするためのポイントは以下のとおりです。
- 「、」が3つ以上ある文は「。」で区切る
- 主語の後に続く「が」や「は」の数を1つにする
- 「これ」「それ」「あれ」などの指示語を避ける
- 「とても」や「非常に」などの副詞を削除する
- 形容詞を具体的な数字に変える(例:多くの記事→300記事)
視覚的に読みやすくする工夫
Webユーザビリティの第一人者であるヤコブ・ニールセン博士の調査によると、ユーザーはWebページの約20%しか読んでいません。だからこそ、視覚的に読みやすくする工夫が必要です。
具体的には以下のような工夫が有効です。
- ひらがなと漢字のバランス:ひらがな70%、漢字30%が理想的
- 適度な改行:2〜3行ごとに改行を入れる
- 箇条書きの活用:情報をまとめて読み手の負荷を減らす
- 太字・マーカー:重要な箇所を強調する
- 図解・画像:大見出しごとに画像を入れる
文字が詰まっていると読みづらいため、十分な余白を取ることも大切です。
完成したら必ずスマートフォンで記事を確認し、読みやすさをチェックしましょう。
UI(ユーザーインターフェース)を意識する
WebサイトにおけるUIとは、記事の読み手とサイトとの接点のことを指します。

Webサイトの見た目だけでなく、ユーザーがどれだけ簡単に使えるかまでが含まれます。
文字の大きさや種類、ボタンの配置、クリックやスワイプなどの操作のしやすさも大切な要素です。
よいUIは、読み手がストレスなく記事を読むことができ、記事の離脱率を防ぐことにもつながります。
Web上の記事は、スマホで読まれることがほとんどなので、記事が公開されたあとにスマホでも必ず確認しましょう。
E-E-A-Tで信頼性を高める
Googleは、SEO(検索エンジン最適化)において、コンテンツの品質を評価するための基準として「E-E-A-T」を非常に重要視しています。
E-E-A-Tとは、以下の頭文字をとったものです。
- Experience(経験):実体験に基づいた情報
- Expertise(専門性):専門的な知識
- Authoritativeness(権威性):業界での認知度
- Trust(信頼):情報の正確性と信頼性

たとえば、IT機器を取り扱うメーカーが医療情報を発信するメディアを作っても、信頼性や権威性がないため、検索エンジンから評価されにくくなってしまいます。
記事の信頼性を高めるには、自社の実体験や独自調査データ、専門家の監修、信頼できる情報源からの引用などを含めることが効果的です。
Step6. 校閲・校正をおこなう
校閲校正は、文章の誤りや不明瞭な表現を修正し、情報の信頼性を高め、正確で理解しやすい文章に整える作業です。
書いている文章に誤りがあると、読み手に正確な情報が伝わりません。
誤解や混乱を避け、文章の品質を向上させるために大切な工程となります。
特に、法律や医療が関わる内容などは、校閲・校正を入れて丁寧にファクトチェックしたいところです。
実際に、参考にしたエビデンスと違う捉え方をされて執筆されていたケースもあったので、複数の目で確認するといったこの工程は非常に重要だと考えています。
Step7. 最終確認をする
校閲・校正まで終了したら、最終確認をおこないます。
品質に問題ないか確認できたら、入稿して公開します。
CMSによっては、入稿に数時間かかることも。直接CMS上に直接書くといった方法もありますが、ファクトチェックや校閲・校正がきちんとおこなえないため、シノビクスでは原則Googleドキュメントで記事制作をおこなっています。
Step8. タイトルとメタディスクリプションを最適化する
記事が完成したら、最後にタイトルとメタディスクリプション(説明文)を最適化します。
ユーザーは検索結果画面で「タイトル」と「ディスクリプション」を見てクリックするページを決めるため、この2つの要素がクリック率に大きく影響します。
クリック率を高めるタイトルの付け方
魅力的なタイトルを作成するには、具体性を出すことが重要です。「6W1H」のフレームワークを活用すると効果的です。
- Who:誰が(プロが、専門家が)
- Whom:誰に(初心者向け、担当者向け)
- What:何を(記事制作の方法を)
- Why:なぜ(成果を出すため)
- Where:どこで(オウンドメディアで)
- When:いつ(今すぐ、3ヶ月で)
- How:どのように(9ステップで)
また、具体的な数字を入れることでタイトルの説得力が増します。「たくさんの事例」よりも「100社の事例」の方が、クリックされやすくなります。
メタディスクリプションの書き方
メタディスクリプションは、検索結果画面でタイトルの下に表示される説明文です。120文字程度で、以下の要素を含めると効果的です。
- 記事で解決できる悩みや課題
- 記事の内容(何が書かれているか)
- 読者が得られるメリット
- 対策キーワードを自然に含める
タイトルとディスクリプションの最適化により、検索順位が同じでもクリック率が向上し、結果的により多くのユーザーに記事を読んでもらえるようになります。
Step9. 記事を公開し効果測定をする
記事を公開したら終わりではありません。
公開後の効果測定と改善が、オウンドメディアの成果のポイントとなります。
公開直後に確認すべき指標
記事公開後は、以下の指標を定期的に確認しましょう。
- 検索順位:対策キーワードで何位に表示されているか
- セッション数・PV数:どれくらい読まれているか
- 平均滞在時間:ユーザーがどれくらい記事を読んでいるか
- 直帰率:記事だけ見て離脱している割合
- コンバージョン数:問い合わせや資料請求に繋がっているか
効果測定に使うツール
効果測定には、主に以下のツールを活用します。
- Google Analytics:セッション数、PV数、滞在時間などを確認
- Google Search Console:検索クエリ、表示回数、クリック率を確認
- 検索順位チェックツール:日々の順位変動を追跡
改善すべきポイントの見つけ方
効果測定の結果から、以下のような改善アクションを検討しましょう。
- 検索順位が低い → タイトル・見出し・内容を競合と比較して改善
- 表示回数は多いがクリック率が低い → タイトル・ディスクリプションを改善
- 滞在時間が短い → 冒頭の導入文や構成を見直す
- 直帰率が高い → 関連記事への内部リンクを追加
記事公開後3〜6ヶ月経っても順位が上がらない場合は、リライトを検討しましょう。
最新情報の追加や、不足している情報の補完、構成の見直しなどが効果的です。
オウンドメディアの記事制作にかかる期間と工数
「1記事作るのにどれくらい時間がかかるの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
1記事あたりの制作期間の目安
1記事あたりのトータル工数は、10〜20時間程度が目安です。ただし、キーワードの専門性やジャンル、書く人の知識と経験によって大きく変わります。
各ステップでかかる時間の目安は以下のとおりです。

初心者とプロの違い
プロライターの場合、記事執筆は1時間で1,000〜1,500文字程度といわれています。
一方、記事制作に慣れていない初心者だと、情報のリサーチなどにも時間がかかるため、プロライターの2〜3倍以上の時間がかかるでしょう。
月間記事本数の現実的な目標
ECサイトの運営業務など、自社の通常業務を行いながら記事作成する場合、まとまった時間を確保するのは難しいと考えられます。
作業を並行して行うため、キーワード選定に1〜3日、構成案作成に2〜3日、記事執筆に2〜3日、チェックや公開作業に1〜2日かかるとすると、順調に作業が進んでも1記事あたり1週間〜10日程度はかかると見積もっておきましょう。
したがって、現実的な月間目標は4〜10記事程度となります。
無理なスケジュールを立てても続かないため、まずは丁寧に1記事ずつ作成していくことが大切です。
オウンドメディアの記事制作:内製と外注の徹底比較
オウンドメディアの記事制作を「社内で行うか」「外注するか」は、多くの担当者が悩むポイントです。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自社に合った方法を選択しましょう。
内製のメリット・デメリット
オウンドメディアの記事制作を内製する主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 外注費がかからずコストを抑えられる
- 内容の変更や修正に柔軟に対応できる
- ノウハウが社内に蓄積される
- 自社の強みや専門性を記事に反映しやすい
- 情報漏洩のリスクが少ない
デメリット
- 社内のリソースが必要になる
- 体制構築や人材育成に時間がかかる
- 短期間で大量の記事制作は難しい
- SEOやライティングの知識習得が必要
外注のメリット・デメリット
記事制作を外注する主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 社内の作業負担を大幅に減らせる
- 専門性の高い質の良い記事を作成できる
- 短期間で大量の記事制作が可能
- SEOの知識や経験を活用できる
デメリット
- 外注費がかかる(文字単価0.5円〜10円以上)
- 自社の強みが伝わりにくい記事になることがある
- コミュニケーションコストが発生する
- 社内にノウハウが蓄積されない
シノビクスがおすすめする「ハーフ内製」という選択肢
シノビクスでは100サイト以上のオウンドメディア支援をおこなってきた経験から、内製と外注の「いいとこ取り」をした「ハーフ内製」という運営体制を推奨しています。
ハーフ内製とは、戦略立案や編集方針の決定、最終チェックなどのコア業務は社内で行い、記事執筆や校閲などの作業は外部パートナーに委託する運営方法です。
ハーフ内製であれば社内にノウハウを蓄積しながらも、記事制作のスピードと品質を両立できます。
実際にご支援させていただくなかで、ハーフ内製によって月間のコンバージョン数を100件以上に伸ばしたメディアが複数あります。
詳しくは「オウンドメディアはハーフ内製がおすすめ!インハウス化の4つのポイントも紹介」で解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
オウンドメディアの記事に関するよくある質問
オウンドメディアの記事に関するよくある質問についてお答えしていきます。
何記事書けば成果が出ますか?
最低でも30〜50記事は必要ですが、記事数よりも質が重要です。
また、成果が出るまでには通常3〜6ヶ月程度かかります。
記事を公開してすぐに検索上位に表示されるわけではなく、Googleがサイトを評価するまでに時間がかかるためです。焦らず、質の高い記事を継続的に公開し続けることが大切です。
記事制作を外注する際の注意点は?
外注する際は、以下の点に注意しましょう。
- 記事制作のガイドライン(レギュレーション)を明確に伝える
- 自社の商品・サービスの強みや特徴をしっかり共有する
- 実績や得意分野を確認して適切なライターを選ぶ
- 定期的にコミュニケーションを取り、認識のズレを防ぐ
- 納品後は必ず内容をチェックし、修正依頼を出す
特に、自社独自の情報や専門性を記事に反映してもらうには、外注先との密な連携が不可欠です。
AIを使った記事制作はSEOに影響しますか?
Google公式の見解では、AIを使った記事制作自体は問題ありません。重要なのは「ユーザーにとって有益な情報を提供しているか」です。
ただし、AIが生成した文章をそのまま使うと、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 情報の正確性に欠ける
- 独自性や専門性が不足する
- 他のAI生成記事と内容が似てしまう
AIは効率化ツールとして活用しつつ、必ず人間が内容を確認・修正し、自社ならではの情報を追加することが重要です。
記事のリライトはどのタイミングでやるべき?
以下のタイミングでリライトを検討しましょう。
- 公開から3〜6ヶ月経っても検索順位が上がらない
- 一度は上位表示されたが、順位が下がってきた
- 情報が古くなり、最新の内容に更新する必要がある
- 競合記事の方が充実した内容になっている
リライトの際は、最新情報の追加、不足している情報の補完、見出し構成の見直しなどを行いましょう。
ただし、闇雲に文字数を増やすのではなく、ユーザーにとって本当に必要な情報を追加することが大切です。
オウンドメディアって今からやり始めても意味ないのでは?
「ノウハウないまま始める」「片手間で始める」という状況では、オウンドメディアが意味のない(効果が得られない)ケースに繋がってしまう可能性があります。
本記事で解説したように、オウンドメディアの立ち上げ〜記事制作にかかる労力は並大抵ではありません。
しかし、適切な戦略と体制があれば、今からでも十分に成果を出すことは可能です。
ほかにも、オウンドメディアが意味のない状態、つまり期待した成果が得られにくいケースについては、「オウンドメディアが意味ない8つのパターンはコレ!いる・いらないを判断しよう」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
オウンドメディアとホームページの違いは?
オウンドメディアとホームページには、以下のような役割の違いがあります。
| オウンドメディア | ホームページ |
|---|---|
| マーケティングとしての役割 | サービスや商品の紹介、お問い合わせ窓口など 固定情報を提供する役割 |
オウンドメディアは、マーケティングとしての役割を担っており、自社の商品やサービスの購入を促すコンテンツを掲載します。
一方のホームページは、自社の商品やサービスに関する情報を提供するなど固定情報を提供する中心的な場所としての役割を担っているのです。
たとえば、弊社のサイトを参考に見てみましょう。以下のブログ/コラムページは「オウンドメディア」の位置づけとなります。

一方、以下のページは「ホームページ」と位置づけられるページとなります。

オウンドメディアの成功事例
ここまで、オウンドメディアの記事制作について詳しく解説しました。最後にシノビクスがご支援させていただいているオウンドメディアの成功事例を紹介します。
株式会社CDエナジーダイレクト

| 企業名 | 株式会社CDエナジーダイレクト |
|---|---|
| オウンドメディア | コツコツCD |
| 事業内容 | 電力・ガスの販売 |
| コンテンツ | 電気やガスに関わる暮らしのコツ、節約術など |
| 記事本数・公開頻度 | 約90記事(2023年10月時点)/月10~20本程度 |
コツコツCDの特徴
- 電気代やガス代を節約したいと思っている準顕在層、潜在層向けの記事を配信
- 1年で12万PVを目標にしていたところ、リリースから5カ月で10万PVを達成
- CVも順調に右肩上がりに増加
電力・ガスを販売している株式会社CDエナジーダイレクトの「コツコツCD」は、記事公開から5カ月で10万PVを達成、2023年10月には18万PVにまで到達しました。
CVも右肩上がりで月間コンバージョン数(直接、間接含む)が400件を超える程です。
同社では、オウンドメディアの運用により顧客データを社内に蓄積したい一方で、専門家のサポートも受けたいという状況のもと、パートナー企業としてシノビクスを選んでいただきました。
制作過程では、SEOのテクニカル施策だけでなく、コンバージョンへの貢献を重視したシミュレーションや、競合サイトがある中でどのように事業目標を達成していくべきかもご提案しました。
また、方針決定後はチーム全員でワークショップを行い、対象となるペルソナごとに、コンバージョンまでの行動の洗い出しもおこなっています。
結果として、もともと「1年で12万PV」を目標にしていたところ、約5カ月という短い期間で10万PVに到達し、コンバージョンも予想を上回る結果を出すことができました。
アクセスが伸びてきてからは、コンバージョン率を高めるために、記事上のボタンやバナーのABテストをして最適なパターンを見つけるなど、PDCAを回しています。
詳細は以下の記事をご覧ください。
シャドテンラボ(株式会社プログリット
| 企業名 | 株式会社プログリット |
|---|---|
| オウンドメディア | https://www.shadoten.com/lab/ |
| 事業内容 | サブスクリプション型英語学習サービス |
| コンテンツ | 英語を勉強中の人へ向けたコンテンツ |
| 記事本数・公開頻度 | 約70記事(2023年9月時点)/月3~4本 |
シャドテンラボの特徴
- 社内の英語コンサルタント経験者や英語に精通したライターが執筆していて品質が高い
- 立ち上げから6カ月でオウンドメディアの内製化に成功
- アプリの集客に成功
社内ライターが0人の状態から、6カ月という短期間でオウンドメディアの内製化に成功した事例です。
同社では、サブスクリプション型の英語学習サービス「シャドテン」を広めるために良質なコンテンツを持つオウンドメディアが必要であるという考えのもと、質を保つために内製化することをゴールにしていました。
そこで、「シャドテンラボ」の戦略立案から社内のコンテンツ制作フローの整備、ライターの採用に至るまで、内製に必要なことをご支援しました。
現在では社内の英語コンサルタント経験者が実際に執筆を担当していて、品質の高いメディアになっています。
また、同社が運営する「シャドテン」というアプリの集客にもつながるようになりました。
まとめ:オウンドメディアは戦略的な記事制作で成果を出せる
本記事では、オウンドメディアの記事制作について9ステップで詳しく解説しました。
記事制作には多くの工数と専門知識が必要ですが、適切なプロセスを踏めば、質の高い記事を効率的に制作できます。
重要なポイントをおさらいすると、以下のとおりです。
- 最低でも30〜50記事を目標に、まずは月4〜10記事から始める
- 1記事あたり10〜20時間の工数が必要
- ターゲット設定とキーワード選定が成功の鍵
- 検索クエリを理解し、ユーザーニーズに応える内容を書く
- 視覚的な読みやすさとE-E-A-Tを意識する
- 公開後の効果測定と改善が重要
- 内製と外注の「ハーフ内製」が理想的
質の高い記事は、オウンドメディア成功の大きな柱となります。読者を引き込み、SEOからも評価され、マーケティングそしてブランディングの強化に寄与するでしょう。
シノビクスでは、100サイト以上のオウンドメディアを成功へと導いてきた経験をもとに、記事制作はもちろん、戦略立案から効果測定まで伴走型でサポートします。
「社内リソースが足りない」「どこから手をつければいいか分からない」といったお悩みがある際には、まずはお気軽にお問い合わせください。貴社のビジネスゴール達成に向けて、最適なご提案をさせていただきます。
