オウンドメディアの内製化は難しい?失敗しない「ハーフ内製」とは
オウンドメディアの内製化とは、戦略設計やコンテンツ制作など、すべての工程を自社のみで完結させる体制を指します。
しかし、オウンドメディア運用には多くの手間やスキルが必要です。
リソースやノウハウがないまま内製化を進めた結果、思うような成果が出なかったというケースも多くあります。
本記事では、オウンドメディアの内製化を成功させる方法として、内製と外注のいいとこ取りをした「ハーフ内製」という運営体制について解説します。
累計100サイト以上のオウンドメディア支援に関わるXINOBIX(シノビクス)でも、実際にハーフ内製によって月間コンバージョン数を100件以上に伸ばした事例が生まれているのです。

本記事では、XINOBIX(シノビクス)が現時点でベストだと考えられるオウンドメディアの運営体制として 「ハーフ内製」 をご紹介するとともに、具体的な運用のポイントや支援会社の選び方をご紹介します。
目次
オウンドメディアの内製化とは?外注との違い

オウンドメディアの内製化とは、戦略設計からコンテンツの企画・制作・効果測定まで、すべての工程を自社リソースのみで完結させる体制を指します。
一方、外注は上記業務を外部パートナーに委託することです。外注はプロの支援が受けられる反面、継続的にコストがかかるデメリットもあります。
そのため、コスト削減を期待して内製化を目指す企業は多く見られます。
しかし、専門的なノウハウや人的リソースが不足していると、成果が出ないまま破綻してしまう恐れもあります。オウンドメディアを運用する際は、自社の状況に合わせた体制構築が必須です。
オウンドメディアを内製化する3つのメリット
オウンドメディアを内製化するメリットは以下の3点です。
- コンテンツに自社の独自性を反映できる
- 自社に運用ノウハウを蓄積できる
- 社員教育として活用できる
1.コンテンツに自社の独自性を反映できる
オウンドメディアを内製化するメリットは、コンテンツに専門性や独自性を反映できることです。
内製する場合は実際にその業界の知見がある社内の担当者がコンテンツ制作に携わるので、内容に自社のノウハウ、企業文化などの一次情報をそのまま織り込めます。
たとえば、以下のような独自性はコンテンツに反映しやすいでしょう。
- 顧客の事例
- 自社が持つ独自ノウハウ
- 社長やベテラン社員の経験談
- 自社商品のアピール
社内担当者であれば、自社製品の良さやアピールポイント、顧客の悩みや動機をよく理解しているため、コンバージョンまでの導線が組みやすいのはもちろん、訴求ポイントもブレのない記事を作りやすいでしょう。
また、業界に通じた担当者がコンテンツ制作に携わることは、SEOの観点からも大きなメリットです。
近年Googleが重要視する項目の一つに「E-E-A-T(※)」が掲げられています。

特に、最近は権威性や信頼性、専門性に加えて経験がこれまで以上に重要視されているのです。
経験についてGoogleの検索品質ガイドラインは以下のように言及されています。
実際に製品を使用している、実際にその場所を訪問している、誰かが経験したことを伝えているなど、コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうかも評価されます。状況によっては、そのトピックに関連して実体験をもつ人が作成したコンテンツが最も高く評価される場合もあります。
引用: 品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加
内製であれば一次情報を織り込みやすく、サイトが検索結果で上位表示されやすいので、オウンドメディアとしてのクオリティも保ちつつ運用できます。
※「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼)」の頭文字をとったもの
2.自社に運用ノウハウを蓄積できる
オウンドメディアの運用を外注先に丸投げしてしまうと、自社にノウハウが溜まらず外注先への依存から抜け出せなくなってしまいます。
一方、内製では社内のメンバーでコンテンツ制作を回していくので、企画の立案やSEO、ライティング技術といったノウハウがすべて自社に蓄積されていく点もメリットです。
3.社員教育として活用できる
また、オウンドメディアを内製している企業の中には、コンテンツ制作などを社員教育として活用しているところもあります。
具体的には以下のような目的を持って運営している企業は多数あります。
- ベテラン社員が書いた記事を見て、他の社員がノウハウを学ぶ
- 新入社員が記事を書き、業務の理解を深める
特に新人教育において、会社の名前でコンテンツを制作するとなると、ある程度責任が発生し、社内の複数人の目を通したうえで公開されることになります。
その過程で、日々の業務で得たノウハウなどをわかりやすく言語化するトレーニングを積み、業務の理解を深めることができます。
オウンドメディアを内製化する3つのデメリット
オウンドメディアを内製化するデメリットは以下の3つです。
- コンテンツを作成するリソースが足りない
- ノウハウがなく誤った方向に進む
- 担当者の退職により運営が止まる
1.コンテンツを作成するリソースが足りない
オウンドメディアの内製化にチャレンジする企業の多くは、メディアが形になる前にリソース不足で挫折しがちです。
具体的には、次のような失敗が多いです。
- 「社員が月に1本記事を作る」という目標を掲げたが、業務が忙しくて執筆できない
- 営業目標を達成することが重視され、次第にコンテンツ作成の優先度が下がる
参考として、以下の図は弊社がオウンドメディアの内製化プロジェクトをご支援したクライアントの担当者ごとの工数です。
自社独自のコンテンツを月間で10本作成する場合、月間200時間程度の工数がかかると想定されます。

また、オウンドメディアの内製化には、記事執筆の時間に加え、社内運用フローの構築や人材教育などにも多くのリソースがかかります。
通常業務と兼任でオウンドメディア運用の業務を進めるのは、時間的にも精神的にも難しい場合が多いでしょう。
さらに、指導できる専門家が社内にいない場合は手探りでの運用となり、現場の疲弊やプロジェクトの停滞を招くおそれがあります。
2.ノウハウがなく誤った方向に進む
リソースだけでなく、知見やノウハウがない状態でスタートした結果、誤った方向に向かう場合もあります。具体的には次のようなケースです。
- 記事を作ればアクセスが増えると思い、頑張って記事を作ったが読まれない
- アクセスは増えてきたが、自社の見込み客ではないユーザーのアクセスがほとんど
かつてはWeb上の情報をまとめただけの記事でも集客可能でした。
しかし、現在のSEOではGoogleの評価基準「E-E-A-T」にあるとおり、独自の「経験」や一次情報が重視されています。
一次情報をコンテンツに落とし込むには、ライティングスキルに加え、マーケティング視点での企画力や編集力が不可欠です。
現在のSEOに関する専門知識がないまま内製しても、他サイトと類似した内容の薄い記事になり、成果につながりにくいでしょう。
結果として、時間と労力を費やしても期待した効果が得られない可能性があります。
3.担当者の退職により運営が止まる
企業によっては、メディア運用に詳しい担当者が運営していて上手く回っている場合もあります。
しかし、注意しなければならないのが属人化による運営破綻です。
オウンドメディアを社員1人だけで回していると、担当社員が急に休んだり退職したりした場合、運用フローや業務の詳細が担当者以外では分からない状態になってしまいます。
また、引き継ぎを行ったとしても以下のような目に見えづらい重要な要素もあります。
- ライターとの関係性
- 企画のアイデア力
- 編集力
- 社内調整力
結果的にどのように対処したら良いかわからなくなり、担当者がいなくなった後は運営がストップしてしまうリスクがあります。

私もインハウスのオウンドメディア担当だった時に、引き継ぎがうまくいかずに更新が止まってしまった経験があります……。
【結論】オウンドメディア運営は「ハーフ内製」がおすすめ
内製化の課題を解決する方法としてXINOBIX(シノビクス)が推奨しているのが、完全な内製でも丸投げの外注でもない「ハーフ内製」という選択肢です。
ハーフ内製とは、自社の強みである一次情報の提供や戦略判断は社内で実施し、専門知識が必要な制作実務やSEO設計はプロに任せる運用体制です。
両者の長所を活かしつつ、リソース不足やノウハウ不足などの課題を解消できるため、成果へつながりやすいでしょう。

ハーフ内製では、社内の担当者をフロントに立て、その下にパートナー会社のディレクター(編集者)などが就き、各ライターやデザイナーを統括していく体制がおすすめです。
コンテンツの質を担保するためには自社の経験や知見を記事に反映させる必要がありますが、社内担当者が各ライターやデザイナーと直にコミュニケーションを取るのは手間がかかります。
そこで、外部のディレクターに窓口になってもらうことで、自社の知見をコンテンツに組み込みつつも、効率的にコンテンツ作成ができます。

ハーフ内製をおすすめする3つの理由

ハーフ内製が現代のオウンドメディア運用において効果的な理由を、具体的に3つ解説します。
- 品質と独自性を高められる
- プロのノウハウを社内に蓄積できる
- 段階的に内製化を進められる
1.品質と独自性を高められる
ハーフ内製は従来の「制作だけ外注」ではなく、戦略や企画段階からプロと共創するスタイルです。
自社独自の一次情報を社内担当者が提供し、プロがその情報を「勝てるコンテンツ」へと設計、編集します。
自社の強みを活かしつつ、SEOやマーケティングの観点でも高品質な記事の作成が可能です。
また、外部パートナーの客観的な視点が入るため、社内では気づきにくい新たな切り口や訴求ポイントを発見できる場合もあります。
2.プロのノウハウを社内に蓄積できる
ハーフ内製では、すべてを外部パートナーに丸投げするのではなく、編集会議などを通じて「キーワード選定の理由」や「構成の意図」などの戦略背景を共有します。
プロの思考プロセスを間近で吸収できるため、実践的なノウハウを社内に蓄積できます。
単なる発注者と受注者の関係ではなくワンチームとして動くことで、社内メンバーのマーケティングスキルの向上につながるでしょう。
日々の議論を通じて得られる知見は、オウンドメディア以外の施策にも応用できる資産となります。
3.段階的に内製化を進められる
ハーフ内製の最終目的は自走(内製化)です。永続的に外注費をかけ続けるのではなく、組織の資産としてメディアの運営力を根付かせる点が最終的なゴールとなります。
まずはプロの力を借りて成果を出し、徐々に自立していくプロセスを踏むと、無理なく強いメディアを構築できます。
将来的に完全内製化を実現できれば、外注コストを削減しつつ成果につながる運用が可能になるでしょう。
ハーフ内製から完全内製化までのポイント

ハーフ内製から完全内製化までのポイントは以下の3つです。
- 自社内でリーダーポジションを置く
- 定期的な編集会議でプロの知見を蓄える
- 段階的に業務を自社に移行する
1.自社内でリーダーポジションを置く
先に紹介した体制表にもある通り、まずは自社内でパートナーとの窓口を担うリーダーポジションを決めるのがポイントです。

このポジションはとても重要で、担当者のコミットメントが高いほど成功確率は高くなります。
リーダーポジションの担当者は、社内関係者との調整や、パートナーの制作会社とのやり取りを担います。
そのため、オウンドメディア運用の一連のフローを現時点で理解できている、または今後学んでいくモチベーションを持ち合わせていることが望ましいでしょう。
社内でリソースを割くことが難しい場合、自社の事情に精通していれば正社員でなくとも業務委託やインターンの方でも問題ありません。
2.定期的な編集会議でプロの知見を蓄える
定期的な編集会議を開催し、パートナー企業との議論を行う点も重要です。
編集会議とは、「誰に向けて、何をどう伝えるか?」をコンテンツ制作に携わるメンバー全員で議論するための会議です。

単に進捗を確認するだけでなく、企画の意図やターゲットの認識合わせ、記事の改善点の共有などを実施します。
編集会議こそが「学習の場」になり、プロの視点や判断基準を社内担当者にインストールする貴重なチャンスです。
具体的な記事を題材に議論を深めていくと、抽象的なノウハウだけでなく、実践的なスキルが身につきます。
3.段階的に業務を自社に移行する
無理な内製化は失敗のもとです。自社のリソース状況に合わせて、以下のように段階的に進めていくのがおすすめです。
| フェーズ | 実施内容 |
|---|---|
| フェーズ1 | 伴走型でプロ主導のもと品質と成果を作る |
| フェーズ2 | 一部の記事制作や簡単なリライトを社内で実施 |
| フェーズ3 | 企画やディレクションも社内へ移行 |
各フェーズで目標を設定し、達成度を確認しながら次のステップへ進めれば、無理なく自走体制を構築できます。
パートナー企業には、内製化に向けた業務移行プロセスまで含めて支援してもらえるかどうかを確認しておくこともポイントです。
オウンドメディアの内製化に成功した2つの事例
XINOBIX(シノビクス)が携わってきたオウンドメディアのなかで、実際に内製化に成功した2つの事例を紹介します。
自社メディアの内製化を目指している担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
- コツコツCD:株式会社CDエナジーダイレクト
- シャドテンラボ:株式会社プログリット
コツコツCD:株式会社CDエナジーダイレクト

(画像出典:コツコツCD|株式会社CDエナジーダイレクト)
| 企業名 | 株式会社CDエナジーダイレクト |
|---|---|
| オウンドメディア | コツコツCD |
| 事業内容 | 電力・ガスの販売 |
| コンテンツ | 電気やガスに関わる暮らしのコツ、節約術など |
| 記事本数・公開頻度 | 約330記事(2026年1月時点)/月10~20本程度 |
コツコツCDの特徴
- 電気代やガス代を節約したいと思っている準顕在層、潜在層向けの記事を配信
- 1年で12万PVを目標にしていたところ、リリースから5ヵ月で10万PVを達成
- CVも順調に右肩上がりに増加
電力・ガスを販売している株式会社CDエナジーダイレクトの「コツコツCD」は、ハーフ内製に成功した事例です。
同社では、立ち上げ段階からハーフ内製化を検討していたといいます。
オウンドメディアの運用により顧客データを社内に蓄積したい一方で、専門家のサポートも受けたいという状況のもと、パートナー企業としてXINOBIX(シノビクス)を選んでいただきました。
制作過程では、SEOのテクニカル施策だけでなく、コンバージョンへの貢献を重視したシミュレーションや、競合サイトがある中でどのように事業目標を達成していくべきかもご提案しました。
また、方針決定後はチーム全員でワークショップを行い、対象となるペルソナごとにコンバージョンまでの行動の洗い出しも行っています。
結果として、もともと「1年で12万PV」を目標にしていたところ、約5ヵ月という短い期間で10万PVに到達し、コンバージョンも予想を上回る結果を出すことができました。
アクセスが伸びてきてからは、コンバージョン率を高めるために、記事上のボタンやバナーのABテストをして最適なパターンを見つけるなど、PDCAを回しています。
詳細は以下の記事をご覧ください。
シャドテンラボ:株式会社プログリット

| 企業名 | 株式会社プログリット |
|---|---|
| オウンドメディア | https://www.shadoten.com/lab/ |
| 事業内容 | サブスクリプション型英語学習サービス |
| コンテンツ | 英語を勉強中の人へ向けたコンテンツ |
| 記事本数・公開頻度 | 約770記事(2026年1月時点)/月40~50本 |
シャドテンラボの特徴
- 社内の英語コンサルタント経験者や英語に精通したライターが執筆していて品質が高い
- 立ち上げから6ヵ月でオウンドメディアの内製化に成功
- アプリの集客に成功
社内ライターが0人の状態から、6ヵ月もの短期間でオウンドメディアの内製化に成功した事例です。
同社では、サブスクリプション型の英語学習サービス「シャドテン」を広めるために良質なコンテンツを持つオウンドメディアが必要であるという考えのもと、質を保つために内製化することをゴールにしていました。
シノビクスは「シャドテンラボ」の戦略立案から社内のコンテンツ制作フローの整備、ライターの採用に至るまで、内製に必要なことをご支援しました。
現在では社内の英語コンサルタント経験者が実際に執筆を担当していて、品質の高いメディアになっています。また、同社が運営する「シャドテン」というアプリの集客にも繋がるようになりました。
詳細は以下の記事をご覧ください。
オウンドメディアの内製化はゴールではなく手段。最適な体制を選ぼう
オウンドメディアの内製化は、あくまで事業成果を高めるための手段の一つです。
無理に内製にこだわって品質を落としたり、リソース不足で更新が止まったりしては本末転倒です。
自社のリソースやフェーズに合わせて、外注と適切に組み合わせる「ハーフ内製」も視野に入れ、最適な運用体制を検討してください。
XINOBIX(シノビクス)では、100サイト以上の運営経験のあるコンサルタントが、立ち上げの段階から並走してサポートします。
編集会議でのすり合わせから、企業にあわせた戦略設計、社内業務フローに関わるアドバイスまで、柔軟に対応が可能です。
ハーフ内製に興味をお持ちの方はもちろん、「内製化に悩んでいる」「どの部分を外注してよいかわからない」といった場合も、まずはお気軽にお問い合わせください。
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オウンドメディアの内製化に関するよくある質問
最後に、オウンドメディアの内製化に関する、よくある質問(FAQ)を解説します。
Q.内製と外注の費用対効果をどう考えればいいですか?
内製と外注においてコストとリターンの関係性で考える必要があるため、一概に答えは出せません。
- 自社に既にノウハウがある担当者がいるか
- コンテンツ制作のリソースがあるか
- どれくらいの期間で成果を出したいのか
- どれくらいのリターンがあるか
上記について見積もった上で判断する必要があります。
Q.自社で直接ライターを採用するか、制作会社に依頼するかどちらがいいですか?
社内にオウンドメディア運用のノウハウを持った社員がいる場合は、自社で直接ライターを採用してフル内製してうまくいくケースもあります。
社内にノウハウがない場合は、制作だけを外注するよりも立ち上げから制作まで伴走してもらえる会社をパートナーに選ぶのがおすすめです。
Q.AIツールを使えば専門知識がなくてもコストを抑えて内製化できますか?
「AIを使えば簡単に内製できる」と考えるのは危険です。
AIは自然な文章を生成できますが、事実確認や情報の深堀り、自社らしさを表現するのは苦手です。
AI作成記事の品質を判断し、修正するには、人間側に高度なディレクション能力と編集スキルが求められます。
「何が良い記事か」の基準をもたないままAIに頼ると、信頼性を損なう低品質なコンテンツの量産につながるおそれがあります。
そのため、まずはAIを活用できるだけの基礎的な編集力を身につけるか、AI活用を前提としたフロー構築ができる専門家の支援を受けることをおすすめします。
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