プロが教えるオウンドメディアの7つのメリット!効果を事例で解説
ここ数年で、オウンドメディアに興味を持っているお客様が増えていると感じます。
しかし実際には、
「自社でオウンドメディアを運用するメリットがイメージしづらい」
「本当に効果があるの?」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、数々のオウンドメディアをご支援してきたXINOBIX(シノビクス)が、オウンドメディア運用のメリットをわかりやすく解説します。具体的な事例も交えてご紹介するので、実際のイメージも掴んでいただけるはずです。
オウンドメディアとは
「オウンドメディア」とは、自社が運用しているメディア全般のことです。
広義にはSNSやYouTube、メールマガジンといったメディアも含みますが、狭義には自社で運用しているWebサイトやブログなどの「記事型メディア」を指すことが多く、実際、シノビクスへのお問合せのうち約9割は「記事型メディア」になります。
また、オウンドメディアは「アーンドメディア」「ペイドメディア」とあわせて「トリプルメディア」と呼ばれることもあります。
本記事では、オウンドメディアの中でももっともメジャーな「記事型メディア」のメリットについて解説します。
オウンドメディアの7つのメリット
オウンドメディアを運用するメリットには主に次のようなものがあります。
1.Web広告でリーチできない層と接点を持てる
2.商品に関連する課題を持っている人を集客しやすい
3.コンテンツが資産化すれば年々集客コストが下がる
4.コンテンツをリサイクルしやすい
5.採用や社内教育にも活かせる
6.お客様にサービスの価値が伝わる
7.掲載するコンテンツを自由に決められる
1.Web広告でリーチできない層と接点を持てる
まず大きなメリットとして、Web広告でリーチできない層と接点を持てることが挙げられます。
当社にご相談いただく中でも特に多いのが「Web広告による集客に限界を感じている」といったお問い合わせです。
以下の図は、マーケティングチャネルにおける各メディアの位置付けを示したものです。
この中で、リターゲティング広告やリスティング広告などのWeb広告は、今すぐ商品が欲しい顕在層に対してアプローチすることになります。しかし、実際のところ顕在層向けのキーワードは単価がかさみやすく、競合も多いのが難点です。
また、数少ない顧客を競合他社との間で刈り取ることになるため、獲得効率が悪くなりやすいのも課題です。
一方オウンドメディアでは、Web広告ではリーチできない「潜在層〜準顕在層」にアプローチできます。
例えばシノビクスが実際にご支援したCDエナジーダイレクト様の事例では、潜在層向けのキーワードを積極的に狙うことで、潜在層の引き上げに成功しました。
2.商品に関連する課題を持っている人を集客しやすい
数々の企業をご支援する中で、オウンドメディアは成約率の高いメディアであると感じています。
オウンドメディアでは、主にSEOコンテンツにより検索エンジンからの流入を狙っていくことになりますが、自社に関連するキーワードで検索している読者は、それらに対して何らかの課題を抱えている可能性が高いです。
例えば英語の勉強をしたい場合、初めは「英語 あいさつ」「英語 勉強法」といった購入フェーズからは遠いキーワードで検索をかけますが、徐々に顧客化する中で「英会話 おすすめ」「(スクール名) 口コミ」といった具体的なキーワードへ遷移します。
もちろん潜在層がすぐに商品を購入してくれるとは限りませんが、このように潜在層のフェーズから段階的にアプローチできるので、成約に繋げやすい点が魅力です。
3.コンテンツが資産化すれば年々集客コストが下がる
オウンドメディアが軌道に乗れば、顧客獲得単価を節約できるようになるのもメリットです。立ち上げ時こそ初期費用がかかりますが、オウンドメディアはWeb広告と違って「資産化」していきます。
以下は、時間経過を横軸に、「アクセス数」「問い合わせ数」「顧客獲得コスト」の3つを表したものです。
SEOによるオウンドメディアのアクセス数は、記事を公開するたびに増加し、安定していきます。アクセスが増えるほどCVも増えるので、1件あたりの顧客獲得単価が下がり、集客コストを節約できるようになります。
実際にシノビクスが実際にご支援したオウンドメディアの中には、立ち上げ5カ月で10万PVを達成し、Web広告に費やしていた広告費用を削減できた事例もあります。
4.コンテンツをリサイクルしやすい
コンテンツをリサイクルしやすいのも大きなメリットです。
コンテンツのリサイクルとは、記事をリリースした後に、画像やSNS、ホワイトペーパー、メルマガ、動画など、各媒体ごとのフォーマットに落とし込んで使い回し(リサイクル)をする戦略です。
集客のために、複数の媒体を併用している企業は多いかと思います。しかし、媒体ごとにそれぞれ企画を立ててコンテンツを制作するには、ほとんどの企業でリソースもコストも足りません。
そこで、まずはオウンドメディアの記事型コンテンツを作り込んで、各SNSやメールマガジン、ホワイトペーパーなどに横展開する。このようなスキームを組むことで、制作コストを大幅に削減できるようになります。
5.採用や社内教育にも活かせる
集客はもちろん、オウンドメディアの力で志望者を募ったり、社内教育のために活用していたりする企業もあります。
- ベテラン社員が書いた記事を見て、他の社員がノウハウを学ぶ
- 新入社員が記事を書き、業務の理解を深める
- 自社の働き方や価値観を発信することで、求職者に興味を持ってもらう
- 志望者向けに社内にまつわる情報を発信して、入社後のミスマッチを防ぐ
実際に、上記のような目的を持って運営している企業はたくさんあります。詳しい事例はこちらの記事でも解説しているので、気になる方はご覧ください。
6.お客様にサービスの価値が伝わる
訴求の無駄打ちが少なく、顧客にサービスの価値を的確に届けられるのもオウンドメディアの魅力です。
詳細な事例や資料、データなどを反映できれば、自社サービスの魅力や価値についての顧客理解はより深まります。これにより、CVしやすくなるだけでなく、より意欲の高い顧客を獲得できるのもメリットです。
実際にクライアント様へお問い合わせのきっかけをヒアリングした際、「広告ではサービスの価値が伝わりづらいことに課題を感じていた」という声をいただいたことがあります。
フェイシャルケアの専門サロンを展開しているクライアント様でしたが、より資産性の高いマーケティング施策を検討する中でシノビクスにご相談いただき、オウンドメディアの立ち上げ支援サービスを導入。
ご支援する中で検索エンジンからのアクセス数は8倍、自社HPからの店舗への来店予約数は3倍という結果に。最終的には、広告費をかけなくても集客ができるようになりました。
7.掲載するコンテンツを自由に決められる
もちろん、目的に沿って運用することが大前提ですが、自社で運用するオウンドメディアには「載せてはいけない」コンテンツはありません。
自社が注力したいポイントに絞って訴求したり、ブランディングに沿った内容でコンテンツを統一したりと、外部の制限を受けずに運用できます。
ただ、Googleのコアアップデート等により、ドメインの運営元と記事の内容が大きく乖離している場合は順位が下がることもあります。あくまで「自由に戦略を立てられる」ということであって、「戦略を立てなくて良い」ということではありません。
オウンドメディアの注意点
オウンドメディアを立ち上げる前に、注意点も押さえておきましょう。ここでは、以下3つの注意点について解説します。
- 効果が出るには時間がかかる
- ある程度のリソースとスキルが必要である
- 目的から外れた運用をしても意味がない
効果が出るには時間がかかる
集客効果の高いオウンドメディアですが、立ち上げてすぐに効果が出るものではなく、ある程度の期間を費やしてしっかり作り込む必要があります。一概にはいえませんが、私の体感として、目に見えた成果が出るまでには1年程度の期間が必要であると感じます。
短期的な効果を期待してしまうと、リリース後に成果が出ていないと感じるかもしれません。しかし、時期尚早な判断で運用を取りやめてしまうと、初期費用を回収できないままプロジェクトが頓挫してしまいます。
そのため、オウンドメディアには長期的な視野で取り組む必要があることを理解しておきましょう。
ある程度のリソースとスキルが必要である
オウンドメディアを本格的に運用するとなると、一定のリソースを割く必要があります。
また、スキルを持った人材が社内に居ないにもかかわらず「とりあえずメディアを立ち上げよう」となった場合、適切なスキームや戦略を組めないまま運用がスタートしてしまうこともあります。
特に、以下のような失敗パターンには注意しましょう。
- 営業担当者が兼任で制作していたが、続かなくなりいつの間にか自然消滅していた
- 明確な目的がないまま運用してしまい、何のコンテンツを上げて良いかわからない
- CVへの導線が組まれていないため、問い合わせや成約に繋がらない
リソースを割くのが難しい場合や、自社に適切な人材がいない場合、外注の制作会社やコンサル会社への依頼がおすすめです。ただし、「記事の内容が薄い」「自社の価値が反映されない」といった問題を防ぐために、委託先への丸投げは避けましょう。
シノビクスでは独自性のある質の高いコンテンツ作成やオウンドメディア運用のために「ハーフ内製」という体制をおすすめしています。ハーフ内製について詳しく知りたい方は、「オウンドメディアはハーフ内製がおすすめ!インハウス化の4つのポイントも紹介」もぜひ参考にしてみてください。
目的から外れた運用をしても意味がない
集客用にスタートしたオウンドメディアが、「アクセス数はあるのにCVしない」といった壁にぶつかることはよくあります。
オウンドメディアは主に検索エンジンからの流入がメインですが、SEOを続けているうちに、まるで「検索順位を上げて上位表示をさせる」ことが目的であるかのように履き違えてしまう場合があります。
SEOはCVを出すための重要な手段ですが、実際に追うべきは「サイトに集客した見込み客をCVにつなげ、最終的な利益に繋げる」ことです。
他にも、
- ターゲット層ではないユーザー向けの情報を発信している
- そもそも訴求したいサービス内容が固まっていない/運用目的が定まっていない
こういったパターンには注意しましょう。
運用目的を見失わないためには、立ち上げ前の段階からサイト設計を立てて、KPIで適切に管理することが重要です。具体的なKPIの立て方の手順は、「オウンドメディアのKPIを事例で解説!ツリーの作り方やフェーズ別の設定手順も紹介」をご覧ください。
オウンドメディアの効果を事例で解説
最後に、シノビクスがご支援した中で、実際に大きな成果を出した事例をご紹介します。
- CDエナジー|運営5ヶ月で10万PVを達成、潜在層の引き上げに成功
- イルグルム|1年で月間300リードを獲得する
- アンジェラックス|広告費をかけなくても集客が可能に
CDエナジーダイレクト
企業名 | 株式会社CDエナジーダイレクト |
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オウンドメディア | コツコツCD |
事業内容 | 電力・ガスの提供 |
コンテンツ | ガスや電気のコラム、お得情報、節約情報 |
記事本数・公開頻度 | 104記事(2023年12月時点)/月10〜12本程度 |
コツコツCDの特徴
- リリースから5ヵ月ほどで月間10万PVを獲得
- 申込者数が右肩上がりに成長・潜在層の引き上げに成功
首都圏を中心に家庭・法人向けの電力・ガスを提供する株式会社CDエナジーダイレクト。オウンドメディア「コツコツCD」のリリースにより、「潜在層」の引き上げに成功して事業が大きく成長した事例です。
「切り替えまでは検討していないものの、電気やガスが高いと感じている」といった潜在層に対して、ガスや電気のコラムだけでなく、ポイ活や節約術などのニーズにも幅広くアプローチ。リリースから5ヵ月ほどで月間10万PVを獲得し、申込者数も右肩上がりで順調に成長しています。
イルグルム
企業名 | 株式会社イルグルム |
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オウンドメディア | ADEBiS お役立ちコラム |
事業内容 | 広告効果測定ツールの提供 |
コンテンツ | 広告運用やマーケティングに関するノウハウ |
記事本数・公開頻度 | 約90記事(2023年12月時点)/月4~5本 |
ADEBiS お役立ちコラムの特徴
- プロジェクトの開始前と比較してサイト全体への流入数が約4.8倍に
- PVの約57%をコラム(SEOコンテンツ)経由で獲得
- 1年で月間300リードを獲得
広告効果測定ツールで国内シェアNo.1を誇る「アドエビス」では、まだサービスを知らない「準顕在層〜潜在層」との接点を持つために、広告運用やマーケティングに関するノウハウコンテンツを配信しています。
戦略設計からコンテンツの制作までをサポートさせていただいた結果、施策を開始する前の2022年7月と比較して、アドエビスのサイト全体への流入数が4.8倍に。そのうち、PVの約57%がコラム(SEOコンテンツ)からの流入と大きな効果が現れました。1年でコンバージョンに寄与したリード数は累計で2000件、最高で月間300件を超えるほどにまで伸びています。
アンジェラックス
企業名 | 株式会社unname |
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オウンドメディア | ANGELUX skincare Lab |
事業内容 | サロン、スパなどの展開 |
コンテンツ | スキンケアに関わるノウハウや情報を配信 |
記事本数・公開頻度 | 約40記事(2023年4月時点)/月3〜5本 |
ANGELUX skincare Labの特徴
- 黄金ルートの発掘で「HPアクセス8倍」「来店予約数3倍」に
- 登録者2万人のYoutubeチャンネルの動画をもとにしたコンテンツを配信
- 広告費をかけなくても集客が可能に
エステティックサロンやホテルスパ、フェイシャルケア専門サロンなどを手がける株式会社アンジェラックス。2021年11月頃に「スキンケアで、人生を美しく」をテーマとしたオウンドメディアをリリースしました。
ファン化するためのカスタマージャーニーの黄金ルートを発見したことで、「HPアクセス8倍」「来店予約数3倍」と大きな成果を出しています。
施策内容としては、SEO記事を中心に、サイト全体のCVRを上げるためのランディングページやインタビュー記事の作成などをメインに実施。また、代表のYoutubeチャンネルで配信している内容をコンテンツに反映しているのも特徴です。
シノビクスならオウンドメディアの立ち上げ〜コンテンツ作成までサポート
今回ご紹介したように、オウンドメディア運用には様々なメリットがあります。ただ、自社にリソースやノウハウがない場合、何から手をつけてよいのかわからない方も多いかもしれません。
本格的なオウンドメディアを立ち上げたいなら、ある程度軌道に乗るまでは専門家の力を借りるのが近道です。
XINOBIX(シノビクス)では、100サイト以上の運営経験のあるコンサルタントが、戦略設計から効果測定に至るまでを伴走してサポートします。
ご興味のある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
オウンドメディアの立ち上げ・改善をご検討の方はこちら