サイトマップ
プライバシーポリシー
console.log("postID: 1345");console.log("カウント: 3535");
ホーム > ブログ/コラム > オウンドメディア成功事例25選!業種・規模別に戦略を徹底分析
オウンドメディア

オウンドメディア成功事例25選!業種・規模別に戦略を徹底分析

オウンドメディア成功事例25選!業種・規模別に戦略を徹底分析

長屋智揮
著者プロフィール
長屋智揮

XINOBIX(シノビクス)株式会社 代表取締役。これまで数百サイトのWEBメディアの運営に携わる。コンテンツSEO・オウンドメディア運用が専門。Xアカウント

XINOBIX(シノビクス)では、過去5年間にわたって100サイト以上のオウンドメディア運用支援を行ってきました。さまざまなオウンドメディアの立ち上げから成長まで導いてきた一方で、その影でオウンドメディアの立ち上げに失敗してご相談いただくケースも数多く見てきました。

長屋智揮
長屋

今回は、我々の支援経験から見て「成功している」と言えるオウンドメディアの事例を、弊社の過去の支援事例も交えて詳しくまとめています。

オウンドメディアの成功事例を学ぶ目的は、大きく2つに集約されます。

  • 自社に近い事例を見つけて成功の糸口を見出すこと
  • 組織内で説得力を持って提案すること

多くの企業が「有名企業の事例だから自社でも再現できる」と考えがちですが、実際には前提条件の違いを理解せずに事例を参考にすると、期待した成果を得られないケースが多発しています

今回ご紹介するのは、XINOBIX(シノビクス)が厳選したオウンドメディアの成功事例です。まずは、事例を正しく活用するための観点から解説します。

目次

オウンドメディア事例を見る前に知っておくべき観点

なぜ「自社に近い事例」を参考にすべきなのか?

オウンドメディアの成功には、どのようなビジネスを展開しているか、企業の歴史や取り扱っている商品・サービス、運営歴やドメインパワー、業界特有の検索行動など、さまざまな要因が複雑に影響しています。

そのため、全く関係のない異なる業界の成功事例を参考にしても、同様の成果を期待することはできません

【失敗のリスク】前提条件を無視した事例選択

例えば、BtoC向けのライフスタイルメディアで成功している運用手法を、BtoBのSaaS企業が真似してもうまくいくことは少ないでしょう。なぜなら、以下のような根本的な違いがあるためです。

比較項目BtoC(個人向け)BtoB(法人向け)
ターゲット顧客個人消費者法人の意思決定者
検索行動感情的・衝動的論理的・慎重
コンテンツ内容エンタメ性重視専門性・信頼性重視
購買サイクル短期間長期間(数ヶ月〜数年)

ビジネスモデルや顧客特性が異なれば、有効なオウンドメディア戦略も大きく変わります。

成功のポイント】自社の事業特性に合った事例選択

ある程度自社に近い事業特性や環境に合った事例を参考にすることで、より現実的で実行可能な戦略を立てることができます。結果として、社内でオウンドメディアをスタートする際の説得材料としても機能します。

長屋智揮
長屋

「競合のA社がうまくいっているので」「自社と同規模のB社が成功しているので、当社でも同様の成果が期待できる」といった形で、説得力を持った提案が可能になります。

事例選定の4つの軸】目的・業種・規模・フェーズ

自社に適した事例を見つけるには、以下4つの軸で分析するのが有効です

1. 目的(何を達成したいか)

オウンドメディアを運営する目的によって、最適なコンテンツ戦略やKPI設定が大きく変わります。目的が曖昧なまま他社事例を参考にすると、方向性がブレてしまい、期待した成果を得られません

顧客獲得

新規顧客の問い合わせ・資料請求獲得を目指す場合、コンバージョンに直結するキーワードでのSEO対策や、記事内でのCTA設置が大切になります。

ブランディング

企業認知度・信頼度の向上が目的の場合、専門性の高いコンテンツや業界での思想リーダーシップを示すコンテンツが中心となります。ただし、ブランディング目的の場合は短期的なROI測定が難しく、長期的な視点での運用が必要になるため、顧客獲得目的とは全く異なる方法が求められます。

採用

優秀な人材の獲得を目指す場合、企業文化や働く環境を伝えるコンテンツ、社員インタビューなどが効果的です。ただし、顧客獲得目的と違い、SEO経由でのアクセス獲得の重要度は低く、SNSでのシェアや指名検索(企業名での検索)による流入が大切になるため、異なる運用方法が必要です。

2. 業種(どのような事業か)

業種によって顧客の検索行動や求められるコンテンツが根本的に異なるため、同業種の成功事例を参考にするのが大切です

項目説明
BtoB vs BtoC法人向けと個人向けでは、意思決定の進め方、検索キーワード、コンテンツの専門性レベルが大きく異なります。BtoB企業が個人向けメディアの手法を真似ても効果は限定的です。
業界特性IT業界なら技術トレンド、製造業なら安全性や品質、金融業なら法規制対応など、業界ごとに重視される観点が違います。
ビジネスモデルSaaSなら継続課金、コンサルなら信頼性、ECなら商品魅力など、収益構造によって訴求すべきポイントが変わります。

3. 規模(企業の規模感)

企業規模によって資源や組織体制が大きく異なるため、同規模企業の事例を参考にすることで、より現実的な戦略を立てられます

項目説明
従業員数10名以下の少数精鋭企業と300名以上の大企業では、コンテンツ制作体制や意思決定スピードが全く違います。
年商予算規模によって、外注できる範囲や投資できるツール・人材が変わります。年商1億円未満の企業が100億円企業の手法を真似るのは非現実的です。
マーケティング予算年間100万円の予算と1,000万円の予算では、取れる戦略が根本的に異なります。予算に見合った事例を参考にするのが大切です。

4. フェーズ(事業の成長段階)

企業の成長段階によって、オウンドメディアに求められる役割や優先順位が変わります。自社と同じフェーズの企業事例を参考にすることで、適切なタイミングで適切な施策を実行できます

項目説明
スタートアップ限られた資源で最大効果を出すため、コンテンツの選択と集中が大切。認知拡大よりもリード獲得を優先することが多い。
成長期急速な事業拡大に対応するため、スケーラブルな運用体制の構築が課題。外部パートナーとの協業も検討対象。
成熟期安定した収益基盤があるため、長期的なブランディングや新規事業への投資もできる。内製化による品質向上に注力。
転換期新規事業展開や事業転換を図る企業は、新しい顧客層への方法が必要。すでにある成功パターンからの脱却が求められる。

4つの軸で自社の状況を整理し、類似する条件の企業事例を参考にすることで、より現実的で実行できる戦略を立てられます

社内決裁を通すための事例活用法

オウンドメディアの企画を社内で通すには、上司や経営層が納得できる根拠と説得力のある提案が必要です。事例を効果的に活用することで、提案の成功確率を大幅に高められます

効果的な事例活用の3つのコツ

1. 類似性を明確に示す
「当社と同じ業界・同規模のA社では、オウンドメディア開始から6ヶ月で月間50件の問い合わせ獲得に成功しています」

自社との共通点を具体的に示すことで「当社でも同様の成果が期待できる」という印象を与えられます。

2. 具体的な数値で成果を示す

  • 問い合わせ数 – 月間○件獲得
  • 売上貢献 – 年間○千万円の売上に貢献
  • コスト効率 – 広告費と比較してCPA○%削減

長屋智揮
長屋

抽象的な表現ではなく、具体的な数値で成果を示すことで、投資対効果を明確にイメージしてもらえます

3. リスクヘッジの観点も含める
「競合のB社もオウンドメディアに力を入れており、何も対策をしなければ検索結果での存在感で後れを取る可能性があります」

成功事例だけでなく、競合動向や市場環境の変化も含めて提案することで、より説得力のある企画書になります。

社内プレゼン用の資料構成例

  • 市場環境と競合動向
  • 類似企業の成功事例(3-5社)
  • 期待される成果と投資対効果
  • 実行計画とスケジュール
  • リスクと対策

構成で事例を活用することで、経営層が意思決定しやすい提案資料を作成できます。

【顧客獲得】オウンドメディアの成功事例21選

1. 【中小×BtoB】ジャグー株式会社(受注数15倍、月間アクセス6倍)

URL:https://jagoo.co.jp/column/

楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングなど、さまざまなECモールにおける運営代行を行うEC支援企業です。これまで紹介やテレアポによる営業で案件を獲得してきましたが、「ホームページ経由の問い合わせはほぼゼロ」という状況で、安定的な新規顧客獲得が大きな課題となっていました

過去にSEOに取り組んだものの、社内で100記事を制作したにも関わらず成果が出ず、一度はあきらめていました。しかし「インバウンドでの問い合わせを増やす」という課題を解決するため、専門パートナーとの協業によるSEOに再チャレンジを決めました。短期的な広告ではなく、長期的な資産となるオウンドメディアを選びました。

まず顧客ペルソナを詳細に設計し、実際の顧客にヒアリングを実施しました。EC事業者の検索行動を徹底分析した上で、「楽天SEO」「EC運営ノウハウ」などの専門キーワードを中心としたコンテンツ戦略を作りました。ジャグー独自のナレッジを活かした実践的な記事制作に注力しました。

長屋智揮
長屋

約1年間の取り組みで月間アクセス数は6倍、ウェブサイト経由の受注件数は前年比15倍を実現しました「楽天RPPの記事を見て勉強している」と業界内で言われるレベルまで認知度が向上し、大手ブランドからの受注も多数獲得。テレアポ・紹介頼みの営業体制から脱却しました。

この事例を参考にすべき企業

  • EC支援・コンサルティング企業
  • 過去にSEOで失敗した経験がある企業
  • テレアポ・紹介中心の営業から脱却したい中小BtoB企業
  • 専門性の高いサービスを提供している企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

2. 【中小×BtoB】株式会社unname(狙ったキーワードで1位獲得)

URL:https://unname.co.jp/btob-marketing/knowledge-blog

「Update your peak.」をミッションとして、マーケティングの側面から企業の事業成長を支援するBtoBマーケティング専門会社です。新サービス「BtoBマーケティング支援サービス」の立ち上げ間もない頃は、サービスサイトからの問い合わせがほとんどない状況でした。

足元の売上は順調だったものの、長期的な資産形成を目指し、SEOやコンテンツマーケティングに本格的に取り組むことを決断しました。会社のブランディングとSEOを比較検討した結果、より効率的に目標達成できるSEOを選択しました

プロジェクトでは、まず基礎的なサイト構造の見直し、コンテンツ制作フローの改善、リンクビルディングによるドメイン強化を実施しました。BtoBマーケティング業界という競合のSEOプロも多い激戦区でのキーワード選定を慎重に行い、狙ったキーワードでの上位表示を目指しました。

長屋智揮
長屋

想像以上に早く成果が現れ、狙ったキーワードで検索結果1位を獲得することに成功しましたさらに重要なのは、検索上位のページから実際に問い合わせが発生し、商談につながったことです。競合大手のサービスとも肩を並べられたことで、会社のブランディングにも良い影響をもたらしました。

この事例を参考にすべき企業

  • マーケティング・コンサルティング企業
  • 新サービス立ち上げ期で認知度向上が必要な企業
  • 長期的な資産形成を重視する中小BtoB企業
  • 競合が多い業界で差別化を図りたい企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

3. 【中小×BtoB】株式会社Pro-D-use(新規事業分野で上位表示多数)

URL:https://pro-d-use.com/blog/

中小企業の新規事業開発支援や経営コンサルティングを手がけるコンサルティング会社です。既存事業は安定していましたが、新規事業分野での認知度向上とリード獲得が課題となっていました。

同社は「新規事業開発」「事業企画」「マーケティング戦略」など、新規事業に関連するキーワード群でのSEO対策に注力しました。特に、実際の支援事例を活かした実践的なコンテンツ制作に強みを発揮し、理論だけでなく現場の知見を盛り込んだ記事を継続的に発信しました

「新規事業開発」「経営コンサルティング」分野のキーワードで上位表示を獲得し、安定した問い合わせを獲得しています。コーポレートサイトの情報が充実していることもあり、問い合わせの質が高いことが特徴です。

この事例を参考にすべき企業

  • 経営コンサルティング・新規事業支援企業
  • 既存事業から新分野への展開を図る企業
  • 実践的な知見を持つBtoB専門サービス企業
  • 質の高いリード獲得を重視する企業

4. 【中小×BtoB】日本人事経営研究室株式会社(記事ごと最適化CTAで高CV)

URL:https://jinjiseido.co.jp/column/

中小企業向けに人事評価制度の構築・運用コンサルティングを行う企業です。中小企業の人事制度・経営計画に関するキーワードで上位表示を多数獲得しています。

同社のオウンドメディアの特徴は、記事ごとに文脈に合ったCTA(Call to Action)が最適化されていることです。例えば「調整給」のキーワードで1位表示されているコンテンツには、ページのファーストビューに調整給の運用サポートするExcel資料が設置されています。

ページごとに文脈に合ったフォーム一体型のCTAが設置されており、ページに訪問した人が個人情報と引き換えに資料をダウンロードし、日常的に資料を使い、企業を想起させるまでの導線が設計されています。書籍の出版も積極的に行っており、複数チャネルに展開している点も特徴です。

この事例を参考にすべき企業

  • 人事・組織系コンサルティング企業
  • 専門性の高いBtoBサービス提供企業
  • コンバージョン率向上を重視する企業
  • 記事マーケティングの最適化を図りたい企業

5. 【中小×BtoB】ナビゲート有限会社「業務マニュアルTips」(ニッチ分野で独占)

URL:https://www.navigate-inc.co.jp/manual/

教材・マニュアル制作事業を行うナビゲート有限会社が運営するオウンドメディアです。業務マニュアルというニッチなテーマに関して、どこにもない深く掘り下げられたコンテンツが掲載されています。

SEO施策はなされていないにも関わらず、業務マニュアル関連のキーワードで上位に表示されています。現場で活躍している社員の方が、業務で得た知識を無理ない範囲で発信していることが特徴です

コンテンツの公開頻度は高くありませんが、創業当初から長期にわたってコツコツと情報発信を続けています。約60記事程度の規模ながら、業務マニュアル分野での専門性の高さが評価されているオウンドメディアです。

この事例を参考にすべき企業

  • ニッチな専門分野を持つBtoBサービス企業
  • 業務効率化・改善支援企業
  • 特定分野での専門性を活かしたい企業

6. 【SaaS×BtoB】株式会社イルグルム「アドエビス」(月間300リード獲得)

URL:https://www.ebis.ne.jp/column/

広告効果測定ツールで国内シェアNo.1を誇る「アドエビス」のオウンドメディアです。マーケティング責任者や広告運用者をターゲットに、広告効果測定やGA4などの専門的なコンテンツを中心に展開しています。

コンテンツ戦略の特徴は、実際の顧客の課題に深く根ざした記事制作です。「各広告媒体のコンバージョンのズレを解消したい」という具体的な課題を抱える読者に向けて、実践的な解決策を提供するコンテンツを毎月5本程度のペースで継続公開しています。

また、購買意欲がまだ高まりきっていない潜在層向けに、GA4関連のホワイトペーパーなど段階的なコンバージョン設計も特徴的です。

長屋智揮
長屋

約1年間の運用で、サイト全体への流入数は約4.8倍、コンバージョンに寄与したリード数は累計で2,000件、最高で月間300件を超える成果を実現しています。「広告効果測定ツール」「マーケティングツール」などの重要キーワードでは1位を獲得しています。

この事例を参考にすべき企業

  • SaaS・マーケティングツール企業
  • 顕在層だけでなく潜在層への接点拡大が必要な企業
  • 効果測定を重視する企業
  • 専門性の高いBtoBサービス企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

7. 【デザイン×BtoB】株式会社グッドパッチ「Goodpatch Blog」(主要KWで1位連発)

URL:https://goodpatch.com/blog/

UI/UXデザインのリーディングカンパニーである株式会社グッドパッチが運営するオウンドメディアです。創業間もない頃から10年以上運営しており、デザインに関する質の高い情報発信で業界内外から高い評価を得ています。

コンテンツの特徴は、現場のデザイナーたちが業務で得た実践的な知識や経験を外部にシェアしていることです。UI/UXデザイン支援、新規事業創出支援、事業戦略支援、プロダクト開発支援など、幅広いサービス領域をカバーする専門性の高いコンテンツを提供しています。

従来は業界での認知度は高いものの、SEOでの主要キーワード順位が課題でしたが、戦略的なキーワード選定とコンテンツ最適化により大幅に改善しました。

長屋智揮
長屋

「UIデザイン」「UXデザイン」「UXリサーチ」などの主要キーワードで検索結果1位を獲得し、サイト全体のインプレッション数が大幅に増加、毎月着実にリード獲得にもつながっています

この事例を参考にすべき企業

  • デザイン・クリエイティブ系企業
  • 認知度はあるがSEOが弱い企業
  • 専門性の高いコンテンツを持つ企業
  • 中長期的な視点でSEO強化を図りたい企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

8. 【SaaS×BtoB】株式会社SmartHR「SmartHR コラム」(8年で1,000記事、2,000万人)

URL:https://smarthr.jp/column/

クラウド人事労務ソフト「SmartHR」が運営するオウンドメディアです。人事・労務領域における法改正情報、最新のトレンド情報、イベントレポート、専門家の見解など、人事・労務に関わるビジネスパーソンや経営者に向けた情報を提供しています。

2016年5月に開始してから約8年で約1,000記事を公開し、累計2,000万人に読まれています。特にBtoBのオウンドメディア運用として注目すべきは、パーセプションフローに基づいた緻密なコンテンツ戦略です。

パーセプションフロー・モデルとは、一連の購買行動プロセスを「自然な認識変化の流れ」として描き、組織的な協働を可能にするマーケティング活動全体の設計図です。これによって、お客様のフェーズごとにどのようなコンテンツが必要なのか、すでにあるコンテンツは本来の機能を果たしているのかが可視化され、ブラックボックス化しやすいオウンドメディアの運営方針が明確化されています。

社内のマーケターの方々がnoteで積極的に情報発信も行っており、オウンドメディア運営のナレッジを公開している点も特徴的です。

この事例を参考にすべき企業

  • SaaS・人事系サービス企業
  • 長期的なコンテンツ戦略を構築したい企業
  • パーセプションフローモデルを導入したい企業
  • 体系的なオウンドメディア運営を目指す企業

9. 【SaaS×BtoB】株式会社LegalOn Technologies「契約ウォッチ」(契約書分野で1位独占)

URL:https://keiyaku-watch.jp/

AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」を提供する株式会社LegalOn Technologiesが運営するオウンドメディアです。契約書に関する用語解説・最新情報を中心としたコンテンツを提供しています。

社内の弁護士資格者が企画段階から入り、執筆・校閲がなされていることが大きな特徴です。法改正が一目でわかる「法改正カレンダー」が更新されており、オウンドメディア内に「動画学習」ができるページを設けるなど、次世代のオウンドメディアとして参考になる要素が多数あります。

契約書関連の専門キーワードで多数の上位表示を獲得しており、ニッチながら専門性の高い分野での圧倒的なポジションを確立しています。コンテンツの制作体制や、メディアのUI、動画講座への投資など、リソースは非常にかかりますが、専門分野での権威性確立の成功事例として注目されます。

この事例を参考にすべき企業

  • リーガルテック・法務系サービス企業
  • 専門性の高い分野でのSEO戦略を検討する企業
  • 動画コンテンツも含めた総合的なメディア運営を目指す企業
  • 権威性の確立を重視する企業

10. 【SaaS×BtoB】HubSpot Japan「HubSpot日本語ブログ」(月30-40本、50名体制)

URL:https://blog.hubspot.jp/

インバウンドマーケティング・営業・カスタマーサービスソフトウェアを提供するHubSpot Japan株式会社が運営するオウンドメディアです。マーケティングやセールスに関わる方に向けて、コンテンツを発信しています。

1000記事以上を公開し、月に30〜40本という高頻度でのコンテンツ更新を実現しています。社内外のメンバーを入れた約50名体制という大規模な運営体制を構築しており、SEOを意識したトピッククラスターモデルに基づく戦略を採用しています。

注目すべきは、あえてリード創出をメインの目的にしていない「インバウンド」の思想です。ブログ経由のリード創出のみでROI(投資対効果)は判断せず、認知拡大やHubSpotファンの創出、既存顧客とのエンゲージメント向上にも広く影響すると考えています。

それでも、2019年7月〜2021年4月における検索流入は2倍、オウンドメディアを通じたリードの数は3倍になっており、長期的な視点でのオウンドメディア運営の成功事例として参考になります。

この事例を参考にすべき企業

  • SaaS・マーケティングツール企業
  • 大規模なコンテンツマーケティング体制を構築したい企業
  • 長期的なブランディングを重視する企業
  • インバウンドマーケティングを実践したい企業

11. 【動画制作×BtoB】nowhere film株式会社(半年で問い合わせ10倍)

URL:https://nowhere-film.jp/blog/

ショートドラマ制作を軸に、設立1年で飛躍的な成長を遂げるnowhere film株式会社が運営するオウンドメディアです。Webサイト経由の問い合わせがほぼゼロという状況からのスタートでした。

オウンドメディアの戦略として、ショートドラマ市場という新興分野での専門性を活かしたコンテンツ制作に注力しています。市場の成長期にうまく参入し、競合の有力企業を抑えて検索上位表示を実現しました。

支援開始から半年ほどでWebサイト経由の問い合わせ数が10倍超になり、重要キーワードで上位表示を達成しています。

長屋智揮
長屋

問い合わせによって新たなニーズにも気付き、事業機会の創出にもつながっています。確度の高いクライアントからのお問い合わせが増え、制作会社や代理店からの協業相談も増加しました。

この事例を参考にすべき企業

  • 動画制作・映像制作企業
  • 設立間もないスタートアップ企業
  • 新しい市場に挑戦する企業
  • 社内にマーケティング部門がない企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

12. 【中堅非IT×BtoB】東海バネ工業「ばね探訪」(新規取引獲得)

URL:https://tokaibane.com/bane-tanbo/

フルオーダーメイドの金属ばね製造を手がける東海バネ工業が運営するオウンドメディアです。バネの特徴や種類に関する辞書的なコンテンツと、ものづくりの思いを伝えるブランディングコンテンツを発信しています。

同社のビジネスモデルは完全受注生産であり、カタログが存在しないため、ウェブサイト上で基本知識からビジネスモデルまで把握できる情報を公開しています。「sk5m」「板ばね」などバネの発注を検討する人が検索するキーワードで上位表示を獲得しています。

「ばね探訪」では、モノづくりに対する姿勢が同社と近い顧客を取材し、仕事に対する考え方や社員の思いを記事で紹介することで、顧客とのエモーショナルな接点を持っています。運営体制は社員2名と外部スタッフのライター・カメラマンの4名体制で、年間で新規取引顧客数が100社を超える成果を実現しています。

この事例を参考にすべき企業

  • 製造業・工業系企業
  • 完全受注生産のビジネスモデル企業
  • ニッチな専門分野を持つBtoB企業
  • 顧客との関係性を重視する企業

13. 【中堅非IT×BtoB】日本サポートシステム「おしえてJSS」(400記事でFA分野網羅)

URL:https://jss1.jp/column/

FA装置開発・事前検証を手がける日本サポートシステム株式会社が運営するオウンドメディアです。FA(Factory Automation)をメインテーマとしたコンテンツを発信しています。

専門的なテーマでありながら、400記事近いコンテンツが存在しており、「生産設備立ち上げマニュアル」など10種類以上のダウンロード資料を提供してユーザーに役立つ情報を提供しています

「イメージセンサ」や「plc 比較」などコンバージョンに近いキーワードで「今すぐ客」から「まだまだ客」まで網羅的にコンテンツを展開しています。これにより、資料請求数も一定の数に達していると考えられ、FA分野での包括的な情報提供を実現しています。

この事例を参考にすべき企業

  • FA・自動化関連企業
  • 製造業向けソリューション企業
  • 技術的な専門分野を持つBtoB企業
  • 資料ダウンロードによるリード獲得を重視する企業

14. 【中堅非IT×BtoB】吉南株式会社「物流ジャーナル」(物流KWで上位表示)

URL:https://www.kichinan.co.jp/journal

倉庫業・生産請負業等を手がける吉南株式会社が運営するオウンドメディアです。物流業界に関する情報を提供し、倉庫や物流アウトソーシングに関するノウハウを発信しています。

特徴として、社員がプロフィールを開示して業務の一環で記事を執筆していることが挙げられます。「保税倉庫」「倉庫 建設費」など、物流系のキーワードで上位表示ができており、山口県の会社ながら全国の読者を獲得しています。

物流企業で社員自らが名前を出してコンテンツを発信する会社は数多くありませんが、代表自身がIT分野での企業経験があることにより、全社的に情報発信がよしとされる文化になっていると考えられます。約100記事程度の規模で効果的な情報発信を実現しています。

この事例を参考にすべき企業

  • 物流・倉庫業界企業
  • 地方企業で全国展開を目指す企業
  • 社員の顔が見える情報発信をしたい企業
  • 経営者がIT・デジタルに理解のある企業

15. 【英語×BtoC】株式会社プログリット「シャドテンラボ」(6ヶ月で内製化成功)

URL:https://www.shadoten.com/lab/

短期集中型の英語コーチングサービス「プログリット」やシャドーイング添削サービス「シャドテン」を運営する株式会社プログリットが運営するオウンドメディアです。英語リスニング力を飛躍的に強化するサブスクリプションサービス「シャドテン」を広めるために立ち上げられました。

「シャドーイング」という英語学習方法の認知度向上を目指し、シャドーイング関連キーワードでの1位獲得を戦略の中心に据えています。コンテンツの品質にこだわり、言語学に精通した社内担当者がディレクションを行う内製化を実現しました

長屋智揮
長屋

6ヵ月間でオウンドメディアの内製化に成功し、社内のディレクター1人とインターン生のサポート体制で運営しています。記事制作は英語学習に詳しいライターを厳選して採用し、狙ったキーワードで順位向上を実現しています。

この事例を参考にすべき企業

  • 英語学習・教育系企業
  • サブスクリプションサービス企業
  • コンテンツ品質を重視する企業
  • オウンドメディアの内製化を目指す企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

16. 【大手企業】NEC「wisdom」(84万会員、20年運営の老舗)

URL:https://wisdom.nec.com/

システム・インテグレーション、クラウドサービス、システム機器などを手がけるNEC(日本電気株式会社)が運営するオウンドメディアです。2004年から運営されている国内外のビジネストレンドやテクノロジーの情報を発信する老舗メディアです。

2022年時点で約84万人の会員がいる「Wisdom」では、自社の顧客ペルソナにあった人をターゲットに、既存の会員をターゲットにした編集方針が取られています。1000記事程度を公開し、月間10〜20本のペースでコンテンツを更新しています。

自社の社員が企画したコンテンツを「コンテンツ企画シート」に記入してもらい、記事の対象や目的、お客様にとってどういう課題や解決に役立つかを明記した上で、外部ライターに発注するという運用体制を構築しています。

この事例を参考にすべき企業

  • 大手IT・システム企業
  • 長期的なブランディングを重視する企業
  • 既存顧客基盤を活用したい企業
  • 社内外の連携体制を構築したい企業

17. 【大手企業】株式会社キーエンス(80サイト運営、製品別特化戦略)

URL:https://www.keyence.co.jp/solutions/theme/

センサ、測定器、画像処理機器、制御・計測機器などを手がける株式会社キーエンスが運営するオウンドメディア群です。製品ごとに特化した「パンフレット型」のメディアが合計で80サイト近く開設されています

製品サイトで獲得しきれない疑問を、オウンドメディアで拾える仕組みになっており、商品に関連する疑問にはメディアで答える形になっています。例えば「イオナイザ」関連では、「イオナイザーとは」「イオナイザー 使い方」「イオナイザー 原理」などのキーワードで上位表示を獲得しています。

ほぼ全ての記事にPDFのダウンロード資料が設置されており、訪問した見込み客の個人情報を獲得する仕組みが構築されています。BtoBマーケティングのお手本として有名な、大規模なオウンドメディア戦略の成功事例です。

この事例を参考にすべき企業

  • 製造業・機械系企業
  • 多数の製品ラインナップを持つ企業
  • リード獲得を重視するBtoB企業
  • 大規模なコンテンツマーケティング体制を構築したい企業

18. 【食品×BtoC】TASTEMADE SWEETS COLLECTION(10ヶ月で500人→30万人)

URL:現在は閉鎖済み

食・旅を中心としたライフスタイルメディアを展開しているTastemade Japan株式会社が運営するスイーツ専門のオウンドメディアです。SNSの総フォロワー数は約870万人を超える人気メディアとなっています。

同社はもともとSNSに強く、ビジュアルでお伝えするのが得意でしたが、より幅広い顧客にコンテンツを届けていくためにSEOが必要と判断し、オウンドメディアを立ち上げました。

TASTEMADEのクリエイティブ力を存分に活かせる「商品レビュー記事」から開始し、「ブランド名×口コミ」の検索でほとんどが上位を獲得できています

長屋智揮
長屋

6ヵ月間コンテンツの品質基準にブレがなく、TASTEMADEの世界観を守りながらユーザーに喜んでもらえるコンテンツを追求した結果、2022年5月時点では500人だった読者が、10ヶ月後には30万人を突破しました。

この事例を参考にすべき企業

  • 食品・飲食業界企業
  • SNSに強みを持つ企業
  • ビジュアルコンテンツが得意な企業
  • ブランドの世界観を重視する企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

19. 【旅行×BtoC】大阪ガス「関西おでかけ手帖」(半年で10万PV達成)

URL:https://odekake.osakagas.co.jp/media/

電力・ガス事業を手がける大阪ガスが運営する関西エリアの体験型ふるさと納税を紹介するオウンドメディアです。ゼロから1年で業界注目のオウンドメディアへと成長しました。

体験型ふるさと納税という新しい分野でのコンテンツ制作に挑戦し、関西エリアの魅力的な体験を紹介することで、ふるさと納税の新しい価値を提案しています。立ち上げから半年で10万PVを達成し、CV増加も実現しています。

長屋智揮
長屋

ユーザーファーストを追求したオウンドメディア運用により、SEOだけでなく総合的なマーケティング成果を創出しています。体験型ふるさと納税という特殊な商材でありながら、効果的なコンテンツマーケティングを実現した事例です

この事例を参考にすべき企業

  • 旅行・観光業界企業
  • 地域振興・地方創生に関わる企業
  • 体験型サービスを提供する企業
  • 新しい市場を開拓したい企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

20. 【電力×BtoC】株式会社CDエナジーダイレクト(5ヶ月で10万PV達成)

URL:https://www.cdedirect.co.jp/media/

電力・ガスサービスを提供する株式会社CDエナジーダイレクトが運営するオウンドメディアです。立ち上げ5カ月で10万PVを達成し、CV増加を実現しています。

SEOだけでない”ユーザーファースト”を追求したオウンドメディア運用により、読者にとって本当に価値のあるコンテンツ制作に注力しています。電力・ガス業界という競合が多い分野でありながら、独自の価値提案で成果を創出しました。

長屋智揮
長屋

ユーザーの課題解決を最優先に考えたコンテンツ戦略により、短期間での成果創出を実現しています。エネルギー業界でのオウンドメディア成功事例として注目される取り組みです。

この事例を参考にすべき企業

  • 電力・ガス・エネルギー業界企業
  • 競合が多い業界で差別化を図りたい企業
  • ユーザーファーストのコンテンツを重視する企業
  • 短期間での成果創出を目指す企業

詳細は以下の事例記事をご覧ください。

21. 【EC×BtoC】北欧、暮らしの道具店(ブランドの世界観を発信)

URL:https://hokuohkurashi.com/

株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」は、北欧テイストの雑貨や衣類を販売するECサイトです。ECサイト自体をオウンドメディア化し、商品販売とコンテンツマーケティングを一体化させた成功事例として注目されています

コンテンツ戦略の特徴は、単なる商品紹介を超えた「読みもの」コンテンツの提供です。商品の背景や使用シーンを伝えるコラム形式の記事や動画を豊富に制作し、商品のある生活を具体的にイメージさせることで、ユーザーの共感と信頼を築いています。

SNS活用も積極的で、特にInstagramでは約123万人のフォロワーを獲得しています。広告費をほぼゼロに抑えつつ、コンテンツの力で急速な成長を遂げており、ユーザーの96%が週に1回以上サイトを訪問する高いリピート率を実現しています。

この事例を参考にすべき企業

  • EC・オンライン販売企業
  • ライフスタイル・雑貨系企業
  • ブランドの世界観を重視する企業
  • SNSとの連携を強化したい企業
  • 広告費を抑えてオーガニック成長を目指す企業

採用】オウンドメディアの成功事例4選

1. meLev(レバレジーズ株式会社)

URL:https://melev.leverages.jp/

人材事業を展開するレバレジーズ株式会社が運営する採用広報メディア「meLev(ミレバ)」です。企業ブランディングと採用活動を一体化させた戦略的なオウンドメディアとして注目されています

コンテンツ戦略の特徴は、社員インタビューや社内制度の紹介、事業ニュースなど多岐にわたる情報発信です。企業文化や働く環境をリアルに伝えることで、求職者に対して企業の魅力を効果的に発信しています。

記事メディア、YouTubeチャンネル、SNSを活用した多様なメディアミックス戦略により、採用ブランディングの強化を実現しています。メディア戦略の策定から実行まで自社で行い、一貫性のあるブランドメッセージを発信することで、採用活動における競争力を向上させています。

この事例を参考にすべき企業

  • 人材・HR関連企業
  • 採用ブランディングを強化したい企業
  • 多様なメディアチャネルを活用したい企業
  • 社員の魅力を効果的に発信したい企業

2. ベイジの日報(株式会社ベイジ)

URL:https://baigie.me/nippo/

Web制作会社の株式会社ベイジが運営する「ベイジの日報」は、社員が毎日執筆する日報を公開するユニークなオウンドメディアです。採用費をかけずに優秀な人材を獲得する成功事例として業界で注目されています

コンテンツの特徴は、社員の日々の業務や気づき、思考プロセスをそのまま公開していることです。既存の業務である日報を活用することで、低コストでの運営を実現しながら、企業文化や働く環境をリアルに伝えています。

2020年には外部メディアやエージェントを利用せず、年間120名の自主応募を獲得しました。情報発信を継続することで転職希望者の「第一想起」となり、採用費ゼロでの採用成功を実現しています。コロナ禍においても社員数を倍増させ、エンゲージメントの向上にも成功しています。

この事例を参考にすべき企業

  • Web制作・IT関連企業
  • 採用費を抑えたい中小企業
  • 企業文化の透明性を重視する企業
  • 既存業務を活用したコンテンツ制作を検討する企業

3. mercan(株式会社メルカリ)

URL:https://mercan.mercari.com/

フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリの採用広報メディア「mercan」です。グローバル企業として国内外の優秀な人材獲得を目指すオウンドメディア戦略を展開しています

コンテンツ戦略の特徴は、社員インタビューやイベントレポート、技術記事など多様なコンテンツを通じて企業文化や働く環境を発信していることです。プロジェクトの裏側や開発チームの取り組みなど、求職者が知りたい情報を詳細に紹介しています。

英語版も提供し、海外の求職者にも情報を届けるグローバルな視点での運営を行っています。企業のビジョンやカルチャー、社員の声を多角的に伝えることで、採用活動におけるブランド力を向上させ、優秀な人材の獲得に成功しています。

この事例を参考にすべき企業

  • IT・テック企業
  • グローバル展開を目指す企業
  • エンジニア採用を強化したい企業
  • 多様性を重視する企業

4. サイボウズ式(サイボウズ株式会社)

URL:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

グループウェア開発のサイボウズ株式会社が運営するオウンドメディア「サイボウズ式」です。働き方改革の先駆者として、独自の企業文化と価値観を発信し続けています

コンテンツ戦略の特徴は、働き方やチームワークに関する記事を中心とした情報発信です。社員の働き方や企業文化、製品開発の背景などを紹介し、求職者に対して企業の価値観や魅力を伝えています。外部ライターや専門家も起用し、多様な視点からのコンテンツを提供しています。

働き方改革やチームワークに関する情報発信を通じて、企業ブランドの向上を実現しています。「100人100通りの働き方」という理念を体現するコンテンツにより、多様な働き方を求める人材からの共感を獲得し、採用活動において効果的なブランディングを実現しています。

この事例を参考にすべき企業

  • IT・ソフトウェア企業
  • 働き方改革を推進する企業
  • 多様な働き方を提供したい企業
  • 企業理念・価値観を重視する企業

オウンドメディアの成功事例から見える5つの共通点

これまでご紹介した27の事例を分析すると、成功するオウンドメディアには共通する法則があります。XINOBIX(シノビクス)がこれまで50社以上の支援を通じて導き出した成功の共通点をご紹介します

明確な目標設定とKPI管理

成功しているオウンドメディアは、必ず明確な目標設定とKPI管理を行っています。「なんとなく記事を増やす」のではなく、「月間○件のリード獲得」「年間○千万円の売上貢献」といった具体的な数値目標を設定しています。

例えば、アドエビスの事例では「サイト全体への流入数4.8倍」「月間最高373件のCV」という明確な成果指標で効果を測定していました。ジャグー株式会社でも「受注数15倍」「月間アクセス6倍」という具体的な数値で成果を把握しています。

長屋智揮
長屋

重要なのは、単純なアクセス数だけでなく、最終的な事業貢献まで含めた包括的なKPIを設定することです。BtoBの場合、記事を読んでから実際に問い合わせするまで数ヶ月かかることも多いため、初回接触・間接効果・直接効果を含めた測定が必要になります。

ターゲットユーザーの深い理解

成功事例に共通するのは、徹底したターゲットユーザーの理解です。単なる想像ではなく、実際の顧客データやヒアリングに基づいた深い顧客理解を行っています。

アドエビスの事例では、独自のルートで実際の導入企業にヒアリングを実施し、「各広告媒体のコンバージョンのズレを解消したい」という具体的な課題を発見しました。この深い顧客理解により、検索意図に的確に応えるコンテンツ制作が可能になりました。

ジャグー株式会社でも、実際の顧客にヒアリングを実施し、EC事業者の検索行動を徹底分析した上で、「楽天SEO」「EC運営ノウハウ」などの専門キーワードを中心としたコンテンツ戦略を構築しています。

長屋智揮
長屋

顧客理解の深さが、競合他社では作れない独自性の高いコンテンツにつながり、最終的には検索上位表示と高いコンバージョン率の両立を実現しています

独自性のあるコンテンツ制作

成功しているオウンドメディアは、必ず独自性のあるコンテンツを制作しています。単なる情報のまとめではなく、自社ならではの知見や経験を活かしたオリジナルコンテンツが特徴です。

Goodpatch Blogでは、現場のデザイナーたちが業務で得た実践的な知識や経験を外部にシェアすることで、他では得られない価値の高いコンテンツを提供しています。これにより「UIデザイン」「UXデザイン」などの主要キーワードで1位を獲得しています。

東海バネ工業の「ばね探訪」では、完全受注生産というビジネスモデルの特性を活かし、基本知識からビジネスモデルまで把握できる情報を公開。さらに「ばね探訪」では顧客取材を通じて、モノづくりに対する姿勢や思いを記事で紹介することで、顧客とのエモーショナルな接点を創出しています。

長屋智揮
長屋

このように、自社の強みや特徴を活かした独自コンテンツが、競合との差別化と検索エンジンでの評価向上の両方を実現しています

継続的な運用と改善

成功事例に共通するのは、継続的な運用と改善のサイクルです。一度記事を公開して終わりではなく、効果測定に基づいた継続的な改善を行っています。

SmartHR コラムでは、8年間で約1,000記事を公開し、累計2,000万人に読まれるメディアに成長しました。パーセプションフローに基づいた緻密なコンテンツ戦略により、お客様のフェーズごとに最適なコンテンツを継続的に提供しています。

アドエビスの事例では、毎月定例の編集会議を開催し、キーワードやコンテンツの見出し、コンバージョンまでのシナリオについてディスカッションを重ね、毎月5本程度のコンテンツを継続的に制作・公開しました。

長屋智揮
長屋

このような継続的な運用により、検索エンジンからの評価向上とユーザーとの関係構築を同時に実現しています

経営層のコミットメント

成功しているオウンドメディアでは、必ず経営層が取り組みにコミットしています。単なる「やってみよう」ではなく、事業戦略の一環として位置づけ、必要なリソースを確保しています。

HubSpot日本語ブログでは、社内外のメンバーを入れた約50名体制という大規模な運営体制を構築し、月に30〜40本という高頻度でのコンテンツ更新を実現しています。これは経営層の強いコミットメントがあってこそ可能な体制です。

株式会社キーエンスでは、製品ごとに特化した「パンフレット型」のメディアが合計で80サイト近く開設されており、BtoBマーケティング戦略の中核としてオウンドメディアを位置づけています。

長屋智揮
長屋

逆に、経営層のコミットメントが不十分な場合、途中でリソースが削減されたり、継続的な投資ができなくなったりして、成果が出る前に頓挫してしまうケースが多く見られます

まとめ

オウンドメディアの成功事例を分析すると、単なる「記事をたくさん書く」だけでは成果は出ないことがわかります。成功の秘訣は、戦略的な設計と継続的な改善にあります。

  • 明確な目標設定とKPI管理 – 具体的な数値目標を設定し、継続的に効果測定を行う
  • ターゲットユーザーの深い理解 – 実際の顧客データやヒアリングに基づいた顧客理解
  • 独自性のあるコンテンツ制作 – 自社ならではの知見や経験を活かしたオリジナルコンテンツ
  • 継続的な運用と改善 – 効果測定に基づいた継続的な改善サイクル
  • 経営層のコミットメント – 事業戦略の一環として位置づけ、必要なリソースを確保

これらの要素を満たすオウンドメディアは、確実に事業成果に貢献します。しかし、これらを自社だけで実現するのは簡単ではありません。

長屋智揮
長屋

XINOBIX(シノビクス)では、これまで50社以上の支援実績を通じて培ったノウハウをもとに、オウンドメディアの戦略設計から運用まで、一気通貫でサポートしています。「成果の出るオウンドメディアを作りたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

SHARE

この記事の著者

長屋智揮

XINOBIX(シビクス)株式会社 代表取締役。大阪府出身。同志社大学在学中にインドで情報誌の立ち上げを経験。卒業後にレバレジーズ株式会社に入社。2016年にXINOBIX株式会社を起業し、インド進出支援業をスタート。その後、英会話スクールの比較サイトを起業しウェブリオ(現GLASグループ)に売却。その間、複数の企業でインハウスのSEO責任者や事業部長を経験。2021年に再度当社を専業とし、現在はコンテンツマーケティング支援業を行う。趣味は釣り。

累計100社超!オウンドメディア支援サービス
サービス資料請求する
累計100社超!オウンドメディア支援サービス
サービス資料請求する